公務員の初任給はいくら?高卒・大卒の年収目安を解説
公務員の初任給は「俸給」+「諸手当」で決まる
公務員の初任給は、民間企業のように会社ごとに自由に決められるものではなく、国家公務員は給与法の俸給表、地方公務員は各自治体の条例・給与表に基づいて決まります。採用時の学歴区分(高卒・大卒など)と試験区分によってスタートの号俸が決まり、そこに地域手当や扶養手当、住居手当、通勤手当などが上乗せされます。
そのため「初任給=毎月もらえる額」と単純に考えるとズレが出ます。基本となる俸給月額は高卒でおおむね16万〜20万円台、大卒でおおむね20万〜23万円台が目安ですが、勤務地や家族構成によって実際の支給額は数万円変わります。
- 俸給(本給)=給与表で決まる基本部分
- 地域手当=勤務地の物価・民間賃金水準に応じて支給(東京23区は20%など)
- 扶養・住居・通勤手当=条件を満たす場合に加算
- 初任給は学歴区分と試験区分でスタート号俸が決まる
国家公務員の初任給(高卒・大卒)
国家公務員の一般職(行政職俸給表(一))では、2025年(令和7年)適用の俸給表で高卒が1級5号俸200,300円、大卒が1級25号俸232,000円とされています。これは俸給月額のみの数字で、実際には地域手当などが加わります。
人事院が公表する令和7年度の初任給例では、一般職・高卒者試験・本府省採用の場合で23万2,800円(諸手当を含む想定)とされています。同じ「高卒」でも、本府省(東京)採用か地方支分部局採用かで地域手当の割合が変わるため、額に幅が出る点に注意してください。
- 高卒(一般職):俸給月額 200,300円(1級5号俸)
- 大卒(一般職):俸給月額 232,000円(1級25号俸)
- 人事院の初任給例(高卒・本府省):月23万2,800円(諸手当込み想定)
- 地域手当は勤務地により0〜20%程度の差
地方公務員の初任給(団体区分別の目安)
地方公務員の初任給は自治体ごとの条例で決まるため、全国一律ではありません。総務省「令和6年地方公務員給与の実態」によると、高卒・一般行政職の初任給基準額(平均)は都道府県で約17万0,535円、政令指定都市で約16万6,426円、市で約16万9,070円、町村で約16万7,597円、特別区で約15万8,100円となっています。
ただしこれは基準額(俸給部分)であり、実際の支給額は地域手当などが加わって高くなります。たとえば横浜市の令和7年度・高校卒程度事務区分の初任給は21万7,152円(地域手当含む)です。大都市ほど手当が厚く、町村部では相対的に低めになる傾向があります。
- 都道府県:約17万0,535円(基準額平均)
- 政令指定都市:約16万6,426円(基準額平均)
- 市:約16万9,070円/町村:約16万7,597円(基準額平均)
- 特別区:約15万8,100円(基準額平均)
- 実際の支給額は地域手当等で数万円上乗せされる
初任給から見た初年度の年収目安
初年度の年収は、月給×12カ月に賞与を加えた形になりますが、採用が4月・6月などの途中であれば最初の期末・勤勉手当は在職期間に応じて按分されるため、満額は出ません。そのため「月給×12+ボーナス4.65カ月」のフル年換算より、初年度は低めに出るのが一般的です。
おおまかな目安として、高卒公務員の初年度年収は250万〜320万円程度、大卒公務員は280万〜350万円程度のレンジに収まりやすいと考えられます。勤務地の地域手当や扶養・住居手当の有無で上下します。
- 高卒:初年度 約250万〜320万円程度
- 大卒:初年度 約280万〜350万円程度
- 初年度は賞与が按分支給されるため満額換算より低い
- 2年目以降はフル年換算に近づき、昇給で徐々に増加
手取りは額面のおよそ8割前後で考える
公務員の給与からは所得税・住民税、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)、共済組合費などが差し引かれます。額面に対する手取りの割合は、独身・扶養なしの場合でおおむね8割前後、社会保険料や税負担の大きい年齢・収入帯では75〜80%程度になることもあります。
初任給20万円の場合、手取りはおおむね15万〜16万円台が目安です。ボーナスも同様に税金・社会保険料が引かれるため、額面の金額をそのまま使えるわけではありません。
- 額面20万円 → 手取りはおおむね15万〜16万円台
- 控除の内訳:所得税・住民税・社会保険料・共済組合費など
- 扶養の有無や住居手当の有無で手取りは変動
- 自治体・共済組合によって控除率は多少異なる
民間企業の初任給・平均年収との比較
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした一般労働者の所定内給与は、高校卒で月29万7,200円(年収換算 約420万円)、大学卒で月39万6,300円(年収換算 約570万円)が参考値です。これは全年齢を含む平均であり、初任給そのものではありません。
初任給だけを見ると公務員は民間の大企業と比べて見劣りする場面もありますが、公務員は年功的な昇給が比較的安定しており、40代前半で年収600万円を超えるケースも見られます。初任給の高低だけで判断せず、長期の昇給カーブで比較することが重要です。
- 一般労働者・高校卒:所定内給与 月29万7,200円(年収換算 約420万円)
- 一般労働者・大学卒:所定内給与 月39万6,300円(年収換算 約570万円)
- これらは全年齢平均であり初任給ではない
- 公務員は昇給が安定し、中長期では差が縮まりやすい
この記事のポイント
- 国家公務員の俸給月額は高卒200,300円・大卒232,000円(2025年適用)
- 人事院の高卒初任給例は諸手当込みで月23万2,800円
- 地方公務員の初任給基準額は約15.8万〜17.1万円で自治体差が大きい
- 初年度年収は高卒250万〜320万円、大卒280万〜350万円程度が目安
- 手取りは額面の8割前後で考え、初任給だけでなく昇給カーブも見る