国会議員の年収はいくら?歳費・期末手当と平均所得3003万円の違いを解説
国会議員の年収の基本は「歳費+期末手当」
国会議員が議員として受け取る報酬は「歳費」と呼ばれ、金額は国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(歳費法)で定められています。現在の月額歳費は衆参両院議長が217万円、副議長が158万4千円、その他の一般議員が129万4千円です(litmus-factcheck.jp)。
一般議員の場合、月額129万4千円を12か月受け取ると年額約1,553万円になります。さらに毎年6月と12月には期末手当(ボーナス)が支給され、その年額は約638万円とされています。したがって、議員としての額面年収はおおむね1,550万円+640万円で約2,190万円前後という計算になります(giin-db.com、litmus-factcheck.jp)。
- 衆参議長:月額217万円(年額ベース約2,600万円+期末手当)
- 衆参副議長:月額158万4千円(年額ベース約1,900万円+期末手当)
- 一般議員:月額129万4千円(年額ベース約1,553万円+期末手当約638万円)
- 文書通信交通滞在費(現・調査研究広報滞在費)は月100万円支給されるが、報酬ではないため所得報告の対象外
「平均所得3,003万円」は給料ではない点に注意
毎年6月に公開される国会議員の所得等報告書では、2025年分の対象471人の1人当たり平均所得が3,003万円と報道されました。前回(2024年分、572人)の2,513万円から490万円増えています(47news.jp、nikkei.com)。
この数字は議員の給料が上がったことを意味しません。所得には歳費や期末手当以外に、株式の売却益・配当・不動産収入・原稿料などのあらゆる収入が含まれます。実際、最高額の11億4,015万円を計上した議員の大半は株式関連収入で、一部の資産家議員が平均を大きく押し上げている構図です(litmus-factcheck.jp、47news.jp)。
「議員の給料を500万円上げた」といったSNS投稿は誤りとファクトチェックされています。歳費は2022年7月にコロナ禍の2割削減が終了して以降、月額129万4千円で据え置かれています(litmus-factcheck.jp)。
- 2025年分:平均所得3,003万円(対象471人)、最高額11億4,015万円
- 2024年分:平均所得2,513万円(対象572人)、最高額6億6,245万円
- 政党別平均(2025年分):自民3,512万円、国民2,438万円、維新2,352万円
- 歳費(本体)だけを見ると年額約1,553万円で、平均所得との差は歳費以外の収入によるもの
歳費と一般国民の平均給与を比べると
歳費(本体)と国税庁「民間給与実態統計調査」の平均給与を比べると、2025年の歳費1,553万円に対して2024年の平均給与は478万円で、倍率は約3.3倍です(giin-db.com)。所得総額ベースで比較すると3,003万円÷478万円で約6.3倍になりますが、これは先述のとおり株式等の収入を含むためです。
当サイトが参照している厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では、一般労働者・男女計の年収換算参考値は約490万円、大学卒で約570万円、男性約540万円、女性約410万円です。一般議員の額面(歳費+期末手当)約2,190万円は、一般労働者の年収の4倍前後に相当します。
ただし母集団がまったく異なります。歳費は全国会議員に一律の法定額である一方、平均給与はパート・非正規を含む民間の給与所得者全体の平均で、比較には注意が必要です。
- 議員歳費(本体)2025年:年額1,553万円 ÷ 平均給与478万円 = 約3.3倍
- 議員の所得総額2025年:3,003万円 ÷ 平均給与478万円 = 約6.3倍(副収入含む)
- 一般労働者・男女計(2025年):年収約490万円
- 大学卒(2025年):年収約570万円/高校卒:年収約420万円
- 産業別では電気・ガス・水道が約640万円で高水準帯
手取りは額面より大きく減る
歳費も期末手当も税・社会保険料の控除前の額面です。所得税・住民税・社会保険料などが差し引かれるため、実際の手取りは額面より2〜3割程度少なくなるのが一般的です。議員の場合は税率が高い区分に入りやすく、一律の手取り額を示す公式統計は存在しないため、本記事では具体的な手取り額は不明としています。
また、議員には秘書の給与や事務所費、政策活動費などの経費が別途支給される制度があり、これらは議員個人の年収とは区別されます。事務所運営に関わる費用を個人の手取りと混同しないよう注意が必要です。
- 歳費・平均所得はいずれも額面(税・社会保険料控除前)
- 手取りは一般的に額面の7〜8割程度が目安だが、議員の公式な手取り統計はない
- 秘書給与・立法事務費などは議員個人の報酬ではなく経費
まとめ:見る目的によって数字を使い分ける
「議員という仕事にいくら支払われているか」を知りたい場合は歳費(本体)+期末手当の約1,550万円〜2,190万円レンジを見るのが適切です。「議員という属性の人がその年いくら稼いだか」を知りたい場合は、資産等報告書ベースの所得総額(2025年分平均3,003万円)を参照することになります(giin-db.com、47news.jp)。
いずれも名目値であり、物価調整後の実質比較や中央値のデータは公表されていません。倍率だけを切り取って議論すると誤解を招くため、算出根拠と母集団の違いを確認したうえで参照することをおすすめします。
- 議員報酬を見るなら:歳費(本体)+期末手当=約1,550万〜2,190万円レンジ
- 個人の総収入を見るなら:所得総額(2025年分平均3,003万円)
- 平均は資産家議員に引っ張られやすく、中央値ではない点に注意
この記事のポイント
・一般議員の歳費は月額129万4千円、年額約1,553万円。期末手当約638万円を加えると額面で約2,190万円レンジ。
・2025年分の公表「平均所得3,003万円」は給料ではなく、株式売却益・配当なども含む総収入の平均。歳費は据え置きで給料は上がっていない。
・国税庁調査の平均給与478万円(2024年)と比べると、歳費本体で約3.3倍、所得総額で約6.3倍。母集団が異なる点に注意。
・額面と手取りは別物。議員の手取りに関する公式統計は存在しないため、本記事では具体的な手取り額は不明としている。