帝国データバンク年収調査2025|上場企業平均692.6万円の実態

キーワード: 帝国データバンク 年収

帝国データバンクの年収調査とは

帝国データバンク(TDB)は、有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある上場企業を対象に、平均年間給与の動向を調査しています。2025年度決算期(2025年4月〜2026年3月期)は上場約3700社が対象で、2026年6月30日までに提出された有価証券報告書に基づく集計です。

この調査は上場企業に限定されるため、中小企業や非上場企業を含む日本全体の平均とは異なります。あくまで「上場企業の平均像」として見ることが大切です。

  • 対象は有価証券報告書に給与情報の記載がある上場企業
  • 平均年間給与は賞与を含む年収ベースの数値
  • 上場企業以外や非正規雇用は含まれない点に注意

2025年度の上場企業平均年収は692.6万円

2025年度の上場企業における平均年間給与は692.6万円で、5年連続で前年度を上回り、データのある2003年度以降で最高を更新しました。前年度の671.1万円から21.5万円・3.2%増となり、増加額・伸び率ともに過去最高です。中央値は661.6万円でした。

平均年間給与が増加した企業の割合は76.8%に達し、増加率は「2.5%以上5%未満」が最も多く全体の25.2%を占めました。人手不足を背景とした採用競争や初任給の引き上げが、既存社員の給与テーブルにも波及したことが背景にあります。

  • 上場企業平均:692.6万円(前年度比+21.5万円・+3.2%)
  • 中央値:661.6万円
  • 増加した企業の割合:76.8%

市場別・業種別の年収レンジ

市場別では東証プライム上場企業の平均が793.2万円と最も高く、前年度から3.9%・29.9万円増加しました。東証グロースは648万円、東証スタンダードは615.6万円で、東証全市場で平均年収が初めて600万円を超えています。

業種別では海運業が1120.1万円で唯一1000万円を超え、証券・商品先物取引業962.1万円、保険業936万円、鉱業911.7万円と続きます。製造業は702.6万円で初めて700万円台に到達し、非製造業は686.8万円でした。

  • 東証プライム:約793万円(2026年度は800万円台到達の可能性)
  • 東証グロース:約648万円/東証スタンダード:約616万円
  • 海運業:約1120万円、証券:約962万円、保険:約936万円
  • 製造業:約703万円、非製造業:約687万円

平均給与の分布と二極化

平均給与別に見ると、最も多いのは「600万円台(600〜699万円)」で939社・25.6%、次いで「500万円台」が850社・23.1%、「700万円台」が677社・18.4%でした。高収入の目安となる「1000万円以上」は235社・6.4%となり、社数ベースで初めて200社を超えています。

一方で平均給与500万円未満は430社・11.7%あり、500万円台以下の合計は34.8%を占めます。賃上げで平均を大きく上回る企業と、低収益で賃上げが難しい企業との二極化が進んでいる点も見逃せません。

  • 600万円台:939社・25.6%で最多
  • 500万円台:850社・23.1%、700万円台:677社・18.4%
  • 1000万円以上:235社・6.4%で過去最多
  • 500万円未満:430社・11.7%

厚生労働省の賃金統計で見る一般労働者の年収

帝国データバンクが上場企業を対象とするのに対し、厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査は、全国の民営事業所(10人以上)に雇用される一般労働者の賃金を集計しています。2025年の所定内給与は男女計34万600円で、単純に12カ月換算すると約408万円、賞与を含む年収ではおおむね490万円前後が一つの目安になります。

性別では男性37万3400円(年収換算約540万円)、女性28万5900円(同約410万円)で、男女間賃金格差(男=100)は76.6でした。学歴別では高校卒29万7200円(約420万円)、大学卒39万6300円(約570万円)、大学院卒51万7400円と差があります。

  • 一般労働者・男女計:月34.06万円/年収目安約490万円
  • 男性:月37.34万円/約540万円、女性:月28.59万円/約410万円
  • 高校卒:約420万円、大学卒:約570万円、大学院卒はさらに高い水準

産業別の年収レンジ(厚労省統計)

厚労省の産業別賃金では、電気・ガス・熱供給・水道業が44万4000円で最も高く、年収換算で約640万円、次いで学術研究・専門・技術サービス業が44万300円で約635万円、金融・保険業が43万7000円で約630万円となっています。

一方で宿泊業・飲食サービス業は27万7200円と最も低く、年収換算では約400万円前後にとどまります。同じ日本国内でも産業によって年収レンジに大きな開きがあることがわかります。

  • 電気・ガス・熱供給・水道:約640万円
  • 学術研究・専門・技術サービス:約635万円
  • 金融・保険:約630万円
  • 情報通信:約585万円、製造業:約475万円
  • 宿泊・飲食サービス:約400万円前後

手取りを考えるときの注意点

ここで示した年収は額面ベースであり、実際の手取りは社会保険料や所得税・住民税が差し引かれるため、額面のおよそ75〜85%程度になるのが一般的です。年収500万円の場合、手取りはおおむね380万〜430万円前後が目安となります。

また、帝国データバンクの数値は上場企業の平均であり、平均値は一部の高額企業に引っ張られやすい点に注意が必要です。中央値は661.6万円と平均より低く、実際の分布は600万円台が最も多くなっています。

  • 額面年収に対する手取りは約75〜85%が目安
  • 平均値は高額企業の影響を受けやすい
  • 中央値661.6万円も参考にすると実態に近い

この記事のポイント

  • 帝国データバンク調査で2025年度の上場企業平均年収は692.6万円、過去最高を更新
  • 中央値は661.6万円、東証プライムは約793万円で全市場が600万円超え
  • 業種別では海運業1120.1万円が最高、製造業は初の700万円台
  • 厚労省統計の一般労働者は年収換算約490万円が目安
  • 手取りは額面の約75〜85%、平均値だけで判断しないことが大切

参考情報

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