年収と源泉徴収の関係|源泉徴収票の見方と税額の目安
年収と源泉徴収はどこでつながるのか
会社員の場合、所得税は毎月の給与からおおよその額が天引きされ(源泉徴収)、年末の年末調整で1年分の正確な税額に精算されます。このとき交付される「源泉徴収票」の左上にある『支払金額』が、いわゆる年収(額面年収)にあたります。
つまり年収とは、税金や社会保険料が引かれる前の1年間の総支給額です。源泉徴収票を見れば、自分の年収・課税所得・実際に納めた所得税額をまとめて確認できます。
- 支払金額=年収(額面)。給与・賞与・各種手当を含む
- 源泉徴収税額=1年間で実際に納めた所得税(復興特別所得税を含む)
- 手取り=年収-社会保険料-所得税-住民税(住民税は別途)
源泉徴収票でチェックすべき3つの欄
源泉徴収票は転職・住宅ローン・ふるさと納税などで提出を求められる書類です。特に見るべきは「支払金額」「源泉徴収税額」「社会保険料等の金額」の3点です。
支払金額から給与所得控除と社会保険料控除・基礎控除などを差し引いた額が課税所得となり、そこに税率を掛けたものが源泉徴収税額です。したがって、同じ年収でも扶養の有無や社会保険料の額によって税額は変わります。
- 支払金額:年収の定義にあたる欄
- 源泉徴収税額:納めた所得税の合計
- 社会保険料等の金額:厚生年金・健康保険などの年間負担額
年収別・年間の源泉徴収税額の目安
以下は独身・扶養なし・社会保険料を年収の約15%と仮定した場合のごく粗い概算です。実際の税額は各種控除や自治体・保険料率で変動するため、あくまで目安としてください。
年収300万円台では年間5万円前後、400万円台で10万円前後、500万円台で15万円前後、600万円台では20万円を超えてくる水準が一つの目安になります。
- 年収300万円台:源泉徴収税額は年5万〜7万円程度のレンジ
- 年収400万円台:年9万〜13万円程度のレンジ
- 年収500万円台:年14万〜19万円程度のレンジ
- 年収600万円台:年20万〜27万円程度のレンジ
- 年収が上がるほど税率が段階的に上がる(累進課税)
2025年の平均賃金と年収レンジ
厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与額は男女計で月340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円でした。所定内給与は残業代を含まない基本給ベースのため、賞与を含めた年収はこれより高くなります。
単純に12か月分+賞与を加味すると、男女計で年収480万〜500万円前後、男性で530万〜550万円前後、女性で400万〜420万円前後が一つの参考レンジになります。男女間賃金格差(男性=100)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も縮小しました。
- 一般労働者・男女計:月340.6千円/年収換算の参考値 約490万円レンジ
- 男性:月373.4千円/約540万円レンジ
- 女性:月285.9千円/約410万円レンジ
学歴・産業で見る年収の違い
同学年の労働者でも学歴や業種で年収には差が出ます。男女計の学歴別所定内給与は高校297.2千円、大学396.3千円、大学院517.4千円でした。産業別では電気・ガス・熱供給・水道業(444.0千円)が最も高く、次いで学術研究・専門・技術サービス業(440.3千円)、宿泊業・飲食サービス業(277.2千円)が最も低い結果です。
年収換算では、高水準の産業で600万円台半ば、低い産業では350万円前後というレンジ感になります。業種だけで決まるものではありませんが、転職やキャリア形成を考える際の参考指標になります。
- 高校卒:年収420万円前後レンジ
- 大学卒:年収570万円前後レンジ
- 電気・ガス・熱供給・水道:年収640万円前後レンジ
- 学術研究・専門・技術サービス:年収635万円前後レンジ
- 宿泊業・飲食サービス業:年収350万円前後レンジ
源泉徴収税額を見るときの注意点
源泉徴収税額は「年収×税率」で単純に決まるものではありません。給与所得控除、社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、住宅ローン控除などの各種控除を差し引いた後の課税所得に対して課税されます。
また、iDeCoやふるさと納税を利用している場合、年末調整や確定申告で税額が変わります。源泉徴収票の税額が前年より大きく変動していたら、転職・賞与の増減・控除の追加などを確認するとよいでしょう。
- 税額は控除の影響を強く受ける。同じ年収でも人によって異なる
- 住宅ローン控除やiDeCoで税額は下がることがある
- 住民税は源泉徴収票の税額に含まれない(別途納付)
- 正確な税額は税務署や年末調整の再計算で確認する
この記事のポイント
年収と源泉徴収は、源泉徴収票の「支払金額」と「源泉徴収税額」を通じて結びついています。制度の仕組みを押さえておくと、手取りの見通しや転職時の条件比較がしやすくなります。
- 源泉徴収票の支払金額=年収(額面)
- 年間の所得税目安は年収300万円台で5万〜7万円、500万円台で14万〜19万円程度
- 2025年の一般労働者・男女計の所定内給与は月340.6千円
- 年収レンジは男女計で約480万〜500万円前後が一つの参考値
- 実際の税額は控除や扶養状況で変わるため、目安として理解する