年金の手取りはいくら?年収別の目安と天引きの仕組み

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年金の「額面」と「手取り」はなぜ違うのか

公的年金は、振込まれる前に税金や社会保険料が差し引かれます。ニュースや通知書で見る「年金額」は額面(支給額)であり、実際に口座へ入る金額はそれより少なくなります。

差し引かれる主なものは、所得税・住民税、国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)、介護保険料です。金額は住んでいる自治体や所得、家族構成によって変わるため、「必ずこの手取りになる」とは言えません。

  • 額面=年金の支給額(ねんきん定期便や年金振込通知書に記載)
  • 手取り=額面から税金・保険料を引いた、実際に受け取る金額
  • 手取りの目安は、おおむね額面の85〜90%程度とされることが多い

年金から天引きされる税金と社会保険料

65歳以上の公的年金は「公的年金等控除」があり、年金収入が一定額以下であれば所得税はかかりません。ただし住民税は所得に応じて課税されることがあり、基礎年金のみの世帯でも自治体によっては負担が生じる場合があります。

健康保険料は現役時代の健康保険とは別で、65歳以上は国民健康保険(または後期高齢者医療制度)に加入します。保険料は所得割と均等割で計算され、自治体ごとの差が大きい点が特徴です。

  • 所得税:年金収入が一定額を超えると発生。65歳以上は控除が大きい
  • 住民税:所得割・均等割。自治体により課税状況が異なる
  • 国民健康保険料:所得割+均等割。自治体差が大きい
  • 介護保険料:65歳以上が対象。所得段階に応じて決まる
  • 後期高齢者医療保険料:75歳以上が対象

経歴別に見る年金額と手取りの目安レンジ

厚生労働省が公表した令和8年度の年金額では、老齢基礎年金(満額・1人分)が月70,608円、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額が月237,279円とされています。これはあくまでモデルケースであり、実際の受給額は加入期間や収入によって大きく変わります。

経歴類型別の平均的な年金月額(額面)は、厚生年金期間中心の男性で176,793円、厚生年金期間中心の女性で134,640円、国民年金(第1号被保険者)期間中心の男性で63,513円、同女性で61,771円、第3号被保険者期間中心の女性で78,249円です。

手取りを額面の85〜90%と仮定して年収換算すると、厚生年金中心の男性で月約15.0〜15.9万円・年約180〜191万円、厚生年金中心の女性で月約11.4〜12.1万円・年約137〜145万円、国民年金中心の男性で月約5.4〜5.7万円・年約65〜68万円といったレンジが目安になります。実際の手取りは自治体や所得で変動するため、幅を持って捉えてください。

  • 老齢基礎年金(満額・1人分):月70,608円(令和8年度)
  • 夫婦2人分の標準的な年金額:月237,279円(令和8年度)
  • 厚生年金期間中心の男性:月176,793円 → 手取り年約180〜191万円の目安
  • 厚生年金期間中心の女性:月134,640円 → 手取り年約137〜145万円の目安
  • 国民年金期間中心の男性:月63,513円 → 手取り年約65〜68万円の目安

現役時代の年収と年金額の関係

厚生年金の報酬比例部分は、現役時代の給与や賞与(標準報酬)と加入期間に応じて決まります。つまり現役時代の年収が高いほど、将来の年金額も大きくなる傾向があります。

厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与は男女計で月340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円でした。単純に12か月分と賞与を加味した年収換算では、男女計でおおむね490万円前後、男性540万円前後、女性410万円前後が一つの参考値になります。

ただし、これは所定内給与をもとにした概算であり、実際の年収は賞与や残業代、雇用形態によって変わります。年金の手取りを考える際は、額面の年金額だけでなく、現役時代の年収帯と加入期間の両方を確認することが重要です。

  • 一般労働者・男女計:月340.6千円(年収換算で約490万円前後の目安)
  • 男性:月373.4千円(年収換算で約540万円前後の目安)
  • 女性:月285.9千円(年収換算で約410万円前後の目安)
  • 大学卒:月396.3千円、高校卒:月297.2千円
  • 産業別では電気・ガス・熱供給・水道業が月444.0千円で最高水準

年金の手取りを確認・把握するポイント

自分の年金の手取りを知る最も確実な方法は、実際に届く「年金振込通知書」や「ねんきん定期便」を確認することです。そこには額面と、天引きされた税金・保険料の内訳が記載されています。

また、自治体の国民健康保険料や介護保険料は毎年見直されるため、前年と同じ手取りが続くとは限りません。年金生活に入る前に、住んでいる自治体の保険料率を確認しておくと安心です。

  • 年金振込通知書で額面と天引き額の内訳を確認する
  • ねんきん定期便で将来の見込み額を把握する
  • 自治体の国民健康保険料・介護保険料の料率を確認する
  • 手取りは額面の85〜90%を目安に、幅を持って家計を設計する

この記事のポイント

  • 年金の手取りは額面の約85〜90%が目安。自治体や所得で変動する
  • 令和8年度の老齢基礎年金(満額)は月70,608円、夫婦標準は月237,279円
  • 厚生年金中心の男性は月176,793円、国民年金中心の男性は月63,513円
  • 手取り年収の目安は、厚生年金中心の男性で約180〜191万円、国民年金中心の男性で約65〜68万円
  • 現役時代の年収が高いほど年金額も大きくなる傾向がある
  • 正確な手取りは年金振込通知書と自治体の保険料率で確認するのが確実

参考情報

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