手取り20万円の年収は?額面・平均との比較を統計で解説
手取り20万円とはどのくらいの収入か
「手取り20万円」とは、毎月の給与から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)と税金(所得税・住民税)が差し引かれたあと、実際に口座へ振り込まれる金額が20万円前後になる状態を指します。求人票や雇用契約書に書かれている金額は、この手取りではなく控除前の「額面」である点に注意が必要です。
額面からおおよそ2割前後が差し引かれるため、手取り20万円を得るには額面で月25万〜26万円台が必要になる計算です。単純に12か月分で考えると、年収(税込)はおおむね300万〜380万円のレンジに収まり、ボーナスの有無や社会保険料の等級によって前後します。
- 手取り月20万円の額面目安:月25万〜26万円台
- 年収(税込)の目安:約300万〜380万円、中心は320万〜360万円前後
- 賞与がない場合は年収300万円台前半、賞与がある場合は350万円台以上になりやすい
- 年齢・居住地(自治体)・扶養状況で同じ額面でも手取りは変動する
額面から手取りを決める3つの要素
手取り額は「額面-社会保険料-税金」で決まります。社会保険料は健康保険・厚生年金・雇用保険・(40歳以上は)介護保険で、額面のおよそ14〜15%が目安です。税金は所得税と住民税で、課税所得に応じて段階的に税率が上がります。
このため、同じ年収400万円でも、40歳以上で介護保険料が加わる場合や、扶養に入っている/外れている場合、住民税の年額が切り替わる6月などで、月の手取りは数千円〜1万円以上変わることがあります。
- 社会保険料:額面の約14〜15%
- 所得税・住民税:課税所得に応じて段階的に増加
- 手取り率の目安:額面のおよそ78〜80%
年収別・月の手取り額の目安(会社員・一般的なケース)
以下は、社会保険に加入している会社員(東京都在住・扶養なし・40歳未満)を想定した概算です。実際の金額は自治体の住民税や保険料率、賞与の支給時期によって変動するため、あくまで目安としてご覧ください。
逆算すると、月の手取り20万円を継続して確保するには、年収300万円台の後半(約330万〜360万円)が一つの現実的なラインになります。年収300万円ちょうどでは、手取りは月19万円台になることも少なくありません。
- 年収300万円:月の手取り 約19万〜20万円
- 年収320万円:月の手取り 約20万円前後
- 年収350万円:月の手取り 約21万〜22万円
- 年収400万円:月の手取り 約25万〜26万円
- 年収500万円:月の手取り 約30万〜32万円
統計で見る日本の平均賃金と手取り20万円の位置づけ
厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与額は男女計で月34万600円でした。これは賞与を別にした月額の平均であり、単純に12倍すると年収400万円台後半の水準に相当します。つまり手取り20万円(額面25万〜26万円台)は、全国平均よりやや低い〜平均付近のレンジに位置します。
同調査では所定内給与の中位数が月29万6600円と示されており、「平均より中位のほうが実感に近い」という指摘も一般的です。平均額は高年齢・高収入層に引っ張られるため、自身の比較は平均だけでなく中位数や年齢階級別の数値もあわせて確認するのが安全です。
- 一般労働者・男女計:月34万600円(前年比3.1%増)
- 男性:月37万3400円/女性:月28万5900円
- 中位数(男女計):月29万6600円
- 短時間労働者:1時間当たり1518円
- 大学卒:月39万6300円/高校卒:月29万7200円
業種・雇用形態で変わる「手取り20万円」の届きやすさ
産業別の所定内給与には差があります。電気・ガス・熱供給・水道業(月44万4000円)や学術研究・専門・技術サービス業(月44万300円)は高水準で、手取り20万円は比較的若い段階でも届きやすい業種です。一方、宿泊業・飲食サービス業(月27万7200円)などは、同じ月給水準でも手取り20万円に届きにくいことがあります。
雇用形態による差も明確です。同調査では正社員・正職員の所定内給与が月35万8800円であるのに対し、正社員・正職員以外は月24万1700円でした。非正規の場合、月の手取り20万円は時給や労働時間、残業の有無に大きく左右されます。
- 高水準の例:電気・ガス・熱供給・水道(月44万4000円)、学術研究・専門・技術サービス(月44万300円)、金融・保険(月43万7000円)
- 中位の例:情報通信(月40万6000円)、製造業(月33万0000円)
- 低めの例:宿泊業・飲食サービス業(月27万7200円)
- 正社員・正職員:月35万8800円/正社員・正職員以外:月24万1700円
- 非正規で手取り20万円を狙う場合は、時給・勤務時間・手当の確認が必須
手取り20万円を増やすための考え方
手取りを増やす最も基本的な方法は、額面(月給・賞与)を上げることです。昇給や転職、資格取得による職種変更がこれにあたります。一方で、残業代や各種手当は手取りに反映されやすい一方、社会保険料の算定にも影響するため、増えた分がすべてそのまま手取りになるわけではありません。
節税制度の利用も選択肢ですが、iDeCoや企業型確定拠出年金は掛金が所得控除される代わりに、目先の手取り額は減ります。「今の手取りを増やす」目的と「将来の資産形成」目的は分けて考えると判断しやすくなります。
- 昇給・転職で額面を上げる(手取り増の王道)
- 残業・手当の有無を確認する(ただし社会保険料も増える)
- 扶養の範囲や社会保険の加入条件を見直す
- iDeCo等は節税効果はあるが、毎月の手取りは減る点に注意
- 副業は住民税の申告方法(普通徴収など)にも配慮する
この記事のポイント
手取り20万円は、額面で月25万〜26万円台、年収(税込)で約300万〜380万円(中心は320万〜360万円前後)が目安です。ただし、手取り額は公的統計に直接まとまった数値があるわけではなく、自治体・年齢・扶養状況で変わるため、本記事の金額は概算として扱ってください。正確な手取りは、勤務先の給与明細や社会保険料の等級、お住まいの自治体の住民税額で確認するのが確実です。
- 手取り20万円=額面 月25万〜26万円台、年収 約300万〜380万円が目安
- 手取り率は額面のおよそ78〜80%
- 2025年の一般労働者の所定内給与は男女計 月34万600円、中位数は月29万6600円
- 業種・雇用形態で到達しやすさが大きく異なる
- 正確な金額は自治体・年齢・扶養状況で変動するため、あくまで概算