ふるさと納税の年収はいつの?限度額の基準年と年収別の目安
結論:ふるさと納税の限度額は「寄附した年」の年収が基準
ふるさと納税の控除上限額(いわゆる限度額)を計算するときに使う年収は、寄附をした年(1月1日〜12月31日)の所得です。たとえば2026年に寄附するなら、基準になるのは2026年分の年収・所得ということになります。
控除そのものは、寄附した年の翌年6月ごろから始まる住民税(翌年度分)から差し引かれます。つまり「いつ稼いだお金か」と「いつ税金から引かれるか」は1年ずれる点が、混乱しやすいポイントです。
なお、控除上限額の計算式に登場する「住民税所得割額」は、寄附した年の所得に対して課税される住民税の額です。ただしその金額が確定するのは翌年6月の住民税決定通知書なので、寄附の時点では前年分の通知書などを使って概算するのが一般的です。
- 基準になる年収:寄附をした年(当年)の所得
- 控除が反映される時期:翌年6月からの住民税(翌年度分)
- 計算に使う住民税所得割額:寄附した年の所得に対応する額(確定は翌年6月)
なぜ「いつの年収」か分かりにくいのか
日本の住民税は、前年(1月〜12月)の所得をもとに翌年度分として課税される「前年所得課税」の仕組みです。このため、手元にある直近の住民税決定通知書に書かれている金額は、原則として前年分の年収を反映したものになります。
結果として、「目の前の通知書に書かれた数字=今年の年収」と誤解すると、限度額を実際より高く見積もってしまう可能性があります。転職・昇給・退職・休職などで年収が変わった年は、前年と当年の差が大きくなりやすいので特に注意が必要です。
ふるさと納税の制度全体の受入額や控除実績は総務省の現況調査でも公表されていますが、限度額の考え方そのものは「寄附した年の所得」が軸になります。
- 住民税=前年所得ベースで翌年度に課税される
- 通知書の数字は前年分の年収であることが多い
- 昇給・転職・退職があった年は当年の年収とズレやすい
年収別・寄附上限額の目安レンジ
以下は「独身・扶養なし・他の所得控除がほとんどない会社員」を想定した、あくまで概算の目安レンジです。実際の上限は、配偶者控除・扶養控除・住宅ローン控除・医療費控除・iDeCo・社会保険料の額などで大きく変わります。断定できないため、参考値として見てください。
年収が上がるほど上限は増えますが、増え方は一定ではありません。同じ年収でも家族構成や控除の有無で数万円単位の差が出るため、他人の上限額をそのまま当てはめるのは避けたほうが安全です。
- 年収300万円台:およそ2万〜3万円台
- 年収400万円台:およそ4万〜5万円台
- 年収500万円台:およそ6万円前後
- 年収600万円台:およそ7万〜9万円台
- 年収700万円台:およそ10万円前後
- 年収800万円台:およそ12万〜13万円台
- 年収1000万円前後:およそ17万〜18万円台
自分の「いつの年収」を見ればいいか:実務的な確認手順
寄附を検討している時点で当年の年収が確定していない場合は、直近の住民税決定通知書(=前年分の所得を反映)を使って概算するのが現実的です。前年と当年の年収が大きく変わらない人ほど、この概算はズレにくくなります。
当年に昇給・転職・独立・退職などがあった場合は、前年の通知書ベースの試算が当てにならないことがあります。この場合は、当年の見込み年収を入れてシミュレーターで試算し、余裕をもたせた金額で寄附すると安心です。
ワンストップ特例を使う場合も、控除の考え方自体は同じで「寄附した年」の所得が基準です。ただしワンストップには「寄附先が5自治体以内」「確定申告が不要な給与所得者」などの要件があり、要件を外れると確定申告が必要になります。
- 当年の年収がほぼ確定している人:当年の年収で試算
- 前年と当年で年収が大きく変わらない人:前年の通知書で概算可
- 昇給・転職・退職があった人:当年の見込み年収で余裕をもって試算
- 6月以降に寄附する人:当年の住民税決定通知書が手元にある場合もある
参考:日本の年収水準(2025年調査)
厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(パートタイムを除く)の所定内給与額は男女計で月34万600円、男性37万3400円、女性28万5900円でした。男女間の賃金格差(男性=100)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も縮小しています。
同調査をもとにした都道府県別の推計年収では、全国が約545.6万円、東京都が約678.0万円で最も高い水準とされています。ただしこれは平均値であり、一部の高額所得者が平均を押し上げている点には注意が必要です。
自分の年収が全国平均より高いか低いかを把握しておくと、ふるさと納税の上限額がどのあたりに来るかのイメージを持ちやすくなります。
- 一般労働者・男女計の所定内給与:月34万600円(前年比3.1%増)
- 男性:月37万3400円/女性:月28万5900円
- 都道府県別の推計年収:全国約545.6万円、東京都約678.0万円
- 平均値であり中央値ではないため、実感とのズレがあり得る
注意しておきたいポイント
限度額を超えて寄附した分は、自己負担として全額が控除対象になるわけではありません。超過分は単なる寄附(自己負担)となるため、「上限ギリギリ」ではなく少し余裕を残した金額で寄附するのが無難です。
また、ふるさと納税はあくまで税金の控除制度であり、寄附によって収入が増えたり得を保証したりするものではありません。返礼品の還元率や内容は各自治体・制度のルールに従って決まります。
控除の正確な金額は、翌年6月ごろに届く住民税決定通知書で確認できます。通知書の「寄附金税額控除」欄を見れば、実際に控除された額が分かります。
- 上限を超えた分は自己負担になる
- 控除額は翌年6月以降の住民税決定通知書で確認できる
- 家族構成・各種控除で上限は大きく変わる
- 制度や控除の詳細は総務省・国税庁・自治体の公式情報で確認する
この記事のポイント
- ふるさと納税の限度額は「寄附した年」の年収・所得が基準
- 控除が反映されるのは翌年6月からの住民税(前年所得課税のため1年ずれる)
- 手元の住民税決定通知書は前年分の年収を反映していることが多い
- 年収300万円台は約2万〜3万円台、500万円台は約6万円前後、1000万円前後は約17万〜18万円台が概算目安
- 上限は家族構成・各種控除で変わるため、余裕をもった金額で寄附するのが安全