アクチュアリーの年収はいくら?資格・経験別の目安と平均を解説
結論:アクチュアリーの年収は公的統計に単独では存在しない
アクチュアリー(保険数理士)の年収を職種別に直接示す公的統計は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」には見当たりません。同調査の職種分類にアクチュアリー単独の区分がないためです(mhlw.go.jp)。
そのため実態に近い年収を知るには、「金融・保険業」「学術研究,専門・技術サービス業」の産業別平均賃金、企業の採用情報、転職サイトの提示レンジを組み合わせて推計するのが現実的です。本記事では2025年の公的統計を参考値として使い、アクチュアリーの一般的な年収レンジを整理します。
参考データ:金融・保険業の平均賃金は年収約630万円
令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与は男女計で月34万600円(前年比3.1%増)でした(mhlw.go.jp)。
産業別では「金融業,保険業」が月43万7,000円程度、「学術研究,専門・技術サービス業」が月44万300円程度で、全産業平均を大きく上回る高水準帯です。所定内給与を年収換算すると、金融・保険業で約630万円、学術研究・専門・技術サービス業で約635万円が一つの目安になります。
- 電気・ガス・熱供給・水道業:月44万4,000円(年収換算 約640万円)
- 学術研究,専門・技術サービス業:月44万300円(年収換算 約635万円)
- 金融業,保険業:月43万7,000円(年収換算 約630万円)
- 情報通信業:月40万6,000円(年収換算 約585万円)
- 製造業:月33万円(年収換算 約475万円)
経験・資格別に見るアクチュアリーの年収イメージ
アクチュアリーの年収は、勤務先(生命保険・損害保険・再保険・コンサル・年金基金など)と資格取得の段階で大きく変わります。以下は公的統計と一般的な採用・転職情報を踏まえたおおよその目安で、個人差や企業差が大きい点に注意してください。
- 未資格・若手(20代前半、数理部門の担当者):年収400万〜550万円程度
- 準会員・実務経験3〜7年:年収600万〜800万円程度
- 正会員・実務経験7〜15年:年収900万〜1,300万円程度
- 管理職・チーフアクチュアリー、外資系・コンサル上級職:年収1,200万〜2,000万円台も視野
- 年金数理・リスク管理など専門領域のニーズが高いポジションは上位レンジになりやすい
アクチュアリーが高年収になりやすい理由
アクチュアリーは保険料の算出、責任準備金の評価、リスク管理などに不可欠な専門職で、資格取得の難易度が高く人数が限られます。所属する金融・保険業自体の平均賃金が高いことも、年収水準を押し上げる要因です。
- 統計・数理・金融の専門性が高く、代替が利きにくい
- 正会員資格の取得が評価・等級・資格手当に直結する企業が多い
- 所属業界(金融・保険)の平均賃金が全産業平均より高い
- 再保険・コンサル・外資系など、報酬水準の高い選択肢がある
年収を左右する3つの要素
同じアクチュアリーでも年収には幅があります。特に影響が大きいのは、勤務先の業態・規模、資格の取得状況、担当する専門領域の3点です。
- 勤務先:生保・損保・再保険・コンサル・年金基金で報酬体系が異なる
- 資格:正会員か準会員か、受験生かで手当・昇進スピードが変わる
- 専門領域:生保数理・損保数理・年金数理・リスク管理など需要の差が大きい
- 企業規模:大企業ほど賃金水準が高い傾向(2025年調査では大企業38万5,100円、小企業30万5,600円)
転職で年収を上げる場合の注意点
転職で年収アップを狙う場合、提示額の内訳(基本給・賞与・資格手当・裁量労働手当など)を必ず確認しましょう。資格手当や等級制度は会社ごとに設計が異なり、同じ「アクチュアリー職」でも実態は大きく違います。
また、公的統計はあくまで平均値であり、個人の年収を保証するものではありません。「必ず年収○万円以上」といった断定表現や保証をうたう情報には注意が必要です。
この記事のポイント
アクチュアリー単独の年収を示す公的統計は存在しないため、金融・保険業や専門・技術サービス業の統計が参考になります。
- 2025年の一般労働者平均は月34万600円、金融・保険業は月43万7,000円程度
- 年収換算の目安は未資格の若手400万〜550万円、正会員クラス900万〜1,300万円台
- 勤務先の業態・資格・専門領域で年収差が大きい
- 提示年収は内訳の確認を。断定保証には注意