イラストレーターの年収はいくら?働き方別の目安と公的統計
イラストレーターの年収は「一律の平均」が存在しにくい
イラストレーターは、企業に所属する会社員から個人事業主・フリーランスまで働き方が幅広く、同じ呼び名でも収入の作り方が大きく異なります。そのため「イラストレーター全体の平均年収」を示す公的統計は確認できませんでした。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査は職種別の賃金を公表していますが、イラストレーターという独立した区分は見当たりません。近い区分としては「専門的・技術的職業従事者」などが参考になります。
- 会社員:月給+賞与で比較的安定しやすい
- 専業フリーランス:案件単価と稼働量で年ごとの変動が大きい
- 副業・兼業:本業の収入に上乗せする形で、年収の一部になる
公的統計から見た「近い職種」の賃金水準
令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与は男女計で月340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円でした。単純に12か月分と賞与を足すと、年収500万円前後が一つの目安になります。
職種の大分類では「専門的・技術的職業従事者」が月379.8千円で、全体平均よりやや高めです。イラストレーターはこの分類に近い位置づけと考えられますが、実際の年収は企業規模や雇用形態、案件単価で大きく変わります。
- 一般労働者・男女計:月340.6千円(年収換算の参考値 約490万円)
- 専門的・技術的職業従事者:月379.8千円
- 学術研究・専門・技術サービス業:月440.3千円前後(産業別では高水準)
働き方別・年収レンジの目安
以下は公的統計と一般的な求人・案件の傾向を踏まえた目安で、保証するものではありません。実際の年収はスキル、実績、担当領域、稼働時間で大きく上下します。
会社員の場合、イラスト制作を担う職種は月給20万円台前半から30万円台が中心で、賞与を含めると年収300万〜500万円台が一つの帯になります。フリーランスは案件単価と本数に左右され、年収200万円台から800万円台まで幅があります。
- 会社員(制作会社・ゲーム・広告など):年収300万〜500万円台が目安
- 専業フリーランス(駆け出し〜中堅):年収200万〜400万円台が目安
- 専業フリーランス(実績・単価が高い層):年収500万〜800万円台もあり得る
- 副業・兼業:月数万円〜十数万円の上乗せが中心
年収を左右する主な要素
イラストレーターの収入は「単価×本数」で決まりやすく、単価を上げる要素と本数を増やす要素を分けて考えると整理しやすくなります。
また、企業所属か個人事業主かで、社会保険料や経費の扱いが変わり、同じ年収でも手取り額が異なります。
- 専門領域:キャラクターデザイン、背景、広告、書籍、ゲームなど
- 実績と指名:継続案件や直接依頼の有無
- 納品形式:ラフのみ、線画、彩色込み、アニメーション対応など
- 勤務形態:正社員、業務委託、準委任、アルバイト
- 経費と税・社会保険:フリーランスは経費計上や国民健康保険・年金の負担がある
手取りの目安を考えるときの注意点
年収(額面)と手取りは別物です。会社員は所得税・住民税・社会保険料が天引きされ、手取りは額面のおよそ7〜8割が目安になります。
フリーランスは売上から経費を引き、所得税・住民税・国民健康保険・国民年金などを自分で支払います。年収500万円でも、経費や税負担によって手取りは大きく変わります。
- 会社員:額面のおよそ75〜85%が手取りの目安
- フリーランス:経費と税・社会保険を引いた後の金額が手取り
- 確定申告や経費管理の有無で、同じ売上でも手残りが変わる
年収を調べるときの現実的な進め方
「イラストレーターの平均年収」を探すより、自分に近い条件(雇用形態・専門領域・地域・経験年数)をそろえて比較するほうが現実的です。
求人票や案件単価、公的統計の近い職種の数値を組み合わせて、下限・中央・上限の3点で見積もると判断しやすくなります。
- 会社員志望:求人票の月給と賞与を確認する
- フリーランス志望:案件単価×月の本数で年間売上を試算する
- 公的統計:職種・産業・学歴別の賃金を参考値として使う
この記事のポイント
イラストレーター全体の平均年収を示す公的統計は確認できず、働き方による差が大きいのが実情です。近い職種の賃金水準と、自分の条件を照らし合わせて考えるのが現実的です。
- イラストレーター単独の平均年収は公的統計では不明
- 一般労働者・男女計の所定内給与は月340.6千円(2025年)
- 専門的・技術的職業従事者は月379.8千円
- 会社員は年収300万〜500万円台、フリーランスは200万〜800万円台と幅が大きい
- 額面と手取りは別。フリーランスは経費と税・社会保険の負担を考慮する