世帯年収の中央値はいくら?平均との違いと年代別の目安

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世帯年収の「中央値」は公表統計が限られる

世帯年収の中央値を調べると、まず突き当たるのが「平均は公表されていても中央値は見つけにくい」という壁です。総務省の家計調査は1世帯当たりの平均値を中心に公表しており、厚生労働省の賃金構造基本統計調査は労働者個人の賃金分布(平均値・中央値・四分位数)を公表しています。つまり、個人の年収は中央値まで確認できる一方、世帯単位の年収中央値は公表統計が限られるのが実情です。

そのため本記事では、世帯年収の参考値として家計調査の「実収入(税込みの現金収入合計)」平均を使い、個人年収の中央値は賃金構造基本統計調査の数値で補う形で整理します。世帯年収の中央値そのものは、公的統計では確認できていない点を先にお伝えします。

  • 家計調査=世帯の平均値が中心で、中央値は基本的に非公表
  • 賃金構造基本統計調査=個人の賃金中央値まで公表
  • 国民生活基礎調査=所得の分布や貧困率を扱うが、中央値の単純な一覧は要確認

2025年の勤労者世帯の実収入は月約65.4万円

総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は1世帯当たり1か月平均653,901円で、前年比は名目2.8%増・実質0.9%減でした。単純に12倍すると年換算でおよそ784.7万円になります。ただし実収入には世帯主以外の配偶者や他の世帯員の収入、公的年金などの社会保障給付、財産収入も含まれ、賞与などの不規則収入の一部は除かれています。

同じ家計調査で、総世帯(単身を含む)の勤労者世帯の実収入は月平均559,173円、年換算でおよそ671万円です。二人以上か単身か、共働きか専業主婦(夫)世帯かで大きく変わるため、世帯年収を比べるときは「どの区分の数字か」を必ず確認しましょう。

  • 二人以上・勤労者世帯:月653,901円(年換算およそ785万円)
  • 総世帯・勤労者世帯:月559,173円(年換算およそ671万円)
  • 実収入は税・社会保険料控除前の現金収入で、手取りとは別物

個人年収の中央値は約296.6千円(月額・所定内給与)

厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」では、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与は男女計で月340.6千円、同じ調査の中央値は月296.6千円でした。平均値が中央値を上回っており、高年収層が平均を引き上げている分布の形が読み取れます。単純に12倍すると中央値ベースで月約29.7万円、年換算およそ356万円(賞与別)です。

実収入ベースの年収に近づけるには賞与を加える必要があり、当サイトの年収指数では一般労働者・男女計の年収をおよそ490万円前後(賞与込みの概算レンジ)として整理しています。男性は所定内給与373.4千円で年収目安およそ540万円、女性は285.9千円でおよそ410万円です。男女間賃金格差(男性=100)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も縮小しています。

  • 一般労働者・男女計:所定内給与340.6千円/中央値296.6千円
  • 男性:373.4千円(年収目安およそ540万円)
  • 女性:285.9千円(年収目安およそ410万円)

年代・学歴・産業で見る年収のレンジ

賃金は年齢とともに上がり、男性は55~59歳で月445.6千円とピークを迎えます。女性は45~49歳と55~59歳の305.7千円が最も高く、上昇カーブは男性より緩やかです。世帯年収を考えるときは、世帯主の年代と配偶者の就業状況の組み合わせが効いてきます。

学歴別では男女計で高校297.2千円、専門学校313.7千円、高専・短大321.2千円、大学396.3千円、大学院517.4千円です。産業別では電気・ガス・熱供給・水道業(444.0千円)と学術研究・専門・技術サービス業(440.3千円)が高く、宿泊業・飲食サービス業(277.2千円)が最も低い結果でした。

  • 20代は月20万円台〜、30代で30万円前後、50代が最も高い水準
  • 学歴別の月額レンジ:高校約29.7万円〜大学院約51.7万円
  • 産業別の月額レンジ:宿泊・飲食約27.7万円〜電気・ガス約44.4万円

平均と中央値のズレをどう読むか

平均値は一部の高年収層に引っ張られやすく、中央値は「ちょうど真ん中の人」を示すため、実感に近いのは中央値です。賃金構造基本統計調査でも平均340.6千円に対し中央値296.6千円と、約44千円の差があります。世帯年収で平均だけを見ると、実際より高く感じられる可能性があります。

また、家計調査の実収入は税・社会保険料を引く前の金額です。手取りで考えると、年収500万円前後で手取りはおよそ390万〜400万円台、年収700万円前後でおよそ530万〜550万円台が一つの目安になります(扶養や自治体により変動)。世帯年収の議論と手取りの議論は分けて考えましょう。

  • 平均>中央値になりやすいのは高年収層の影響
  • 実収入は額面ベース、生活設計には手取り換算が必要
  • 住居費・教育費・社会保険料の負担は世帯構成で大きく変わる

参考情報

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