年金20万円もらうには年収いくら?必要水準と現実的な条件
結論:年金20万円は年収700〜750万円台を約40年が目安
公的年金は「老齢基礎年金(国民年金部分)」と「老齢厚生年金(報酬比例部分)」の合計で受け取ります。月20万円(年240万円)を目指す場合、満額の老齢基礎年金で月約6.8万円、残りの約13.2万円を老齢厚生年金で積み上げるイメージになります。
老齢厚生年金を40年(480月)加入で月13.2万円まで増やすには、賞与込みの平均標準報酬額(月額)が60万円前後必要という概算になります。これは年収換算でおおむね700〜750万円台を長期間継続する水準です。あくまで制度の計算式に基づく概算で、実際の額は生年月日・加入期間・報酬で大きく変わります。
- 老齢基礎年金(満額):月約6.8万円(年約81.6万円)
- 老齢厚生年金:月約13.2万円(年約158.4万円)
- 必要な平均標準報酬額:月60万円前後(賞与込み)
- 年収換算:700〜750万円台を約40年継続が一つの目安
年収だけでは決まらない:加入期間と報酬の掛け算
厚生年金の報酬比例部分は「平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数」で計算されます。つまり年収が高くても加入期間が短ければ20万円には届きません。逆に年収が平均的でも、長く加入すれば近づけます。
加入期間が30年(360月)の場合、標準報酬月額の上限に近い水準でも合計月17万円台が目安となり、20万円はハードルが高くなります。国民年金(老齢基礎年金)だけでは満額でも月7万円弱のため、厚生年金への加入期間をいかに確保するかが鍵です。
- 40年(480月)加入なら年収700万円台で到達圏内
- 30年(360月)では標準報酬の上限近くでも20万円は届きにくい
- 国民年金のみの場合、満額でも月7万円弱
- 短い加入期間は、高年収でも穴を埋めにくい
年収別のイメージ(厚生年金・40年加入の概算)
賞与込みの年収を12で割った額を平均標準報酬額とみなし、40年加入で試算すると、おおよそ次のようなイメージになります。標準報酬月額には上限(65万円)があるため、年収が一定を超えると年金額は頭打ちになります。
注意したいのは、年収1000万円超のような高収入でも、年金に反映されるのは上限までの部分だけという点です。年収を上げること以上に、加入期間を途切れさせないことが重要になります。
- 年収400万円台 × 40年:合計で月15万円前後
- 年収500万円台 × 40年:合計で月16万円前後
- 年収600万円台 × 40年:合計で月17〜18万円
- 年収700万円台 × 40年:合計で月19〜20万円
- 年収750万円前後 × 40年:合計で月20万円台に到達
平均的な給与・年金との比較
国税庁の民間給与実態統計調査(2025年分)では、給与所得者の平均給与は487万円(男性597万円・女性342万円)です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では一般労働者の所定内給与は月340.6千円となっています。
年金月20万円は、平均的な給与で40年働いた場合の水準を上回る計算になり、決して「普通に達成できる」金額ではありません。一般的な厚生年金の受給額は月14〜15万円前後とされることが多く、そこからさらに5万円以上を上乗せする必要があります。
- 平均給与(2025年分・全体):487万円
- 男性597万円・女性342万円
- 一般労働者の所定内給与(2025年):月340.6千円
- 一般的な厚生年金の平均月額は14〜15万円前後(統計により幅あり)
20万円に近づける現実的な方法
年収を急に上げるのが難しくても、受け取り方を工夫することで20万円に近づけられます。代表的なのは繰下げ受給で、受給開始を遅らせると1か月あたり0.7%増額されます。70歳まで繰り下げると最大42%増、75歳までなら最大84%増となり、20万円到達の可能性が広がります。
また、70歳まで厚生年金に加入して働く、iDeCoや企業型DCで私的年金を上乗せする、夫婦世帯で合算して20万円を目指すといった選択肢もあります。世帯で20万円なら、片方が14万円・もう片方が6万円といった組み合わせで届きます。
- 繰下げ受給:1か月0.7%増、70歳までで最大42%増
- 長く働く:70歳まで厚生年金に加入可能
- 私的年金:iDeCo・企業型DC・個人年金で上乗せ
- 世帯で合算:夫婦合わせて月20万円を目指す
注意しておきたいポイント
本記事の金額は公的年金の計算式に基づく概算で、令和6年度水準を参考にしています。年金制度は法改正やマクロ経済スライドの影響を受けるため、将来の受給額は変動します。
繰下げ受給は受給開始前に亡くなった場合に損になる可能性があり、誰にでも有利とは限りません。また、厚生年金には標準報酬月額の上限があるため、高年収でも年金額が青天井に増えるわけではない点に注意してください。
- 金額は概算であり、法改正で変わりうる
- 受給額は加入期間・報酬・生年月日で個人差が大きい
- 標準報酬月額には上限(65万円)がある
- 繰下げは死亡リスクなどデメリットも考慮する
この記事のポイント
- 年金月20万円は、老齢基礎年金6.8万円+老齢厚生年金13.2万円が一つの目安
- 厚生年金40年加入なら、年収700〜750万円台の継続が必要という概算になる
- 加入期間が短いと高年収でも届きにくく、国民年金のみでは満額でも月7万円弱
- 繰下げ受給・長く働く・私的年金・世帯合算が現実的な近道
- 金額はあくまで概算。制度改正や個人差が大きい点に注意