税理士の年収は?平均811万円の実態と年代別・男女別の目安
税理士の年収は約811万円(勤務税理士の公的統計)
厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」では、税理士の平均年収は8,108,100円(約811万円)とされています。内訳は、きまって支給する現金給与額が月571,300円、年間賞与その他特別給与額が1,252,500円です(agaroot.jp)。
一方で、同じ統計でも集計区分の取り方によって数字は変わります。公認会計士・税理士を合わせた区分(企業規模計・一般労働者・男女計)では所定内給与533.9千円+年間賞与125.2万円で年収約766万円という試算もあり(nenshuu.com)、令和6年データでは856万2,600円(平均43.1歳)と公表されています(alc.co.jp)。
目安としてはおよそ760万〜860万円のレンジで見ておくのが現実的です。ただし、この差は「税理士が急に稼げるようになった」という意味ではなく、集計対象や区分の違いによるものが大きい点に注意してください。
| 統計・区分 | 平均年収 | 備考 |
|---|---|---|
| 令和7年 賃金構造基本統計調査(税理士) | 約811万円 | 雇用されている税理士 |
| 令和7年 同調査(公認会計士・税理士・男女計) | 約766万円 | 公認会計士を含む |
| 令和6年 同調査(公認会計士・税理士) | 約856万円 | 平均年齢43.1歳 |
| 一般労働者・男女計(2025年) | 約490万円 | 全国平均の比較用 |
全国の一般労働者平均は約478万〜490万円ですから、税理士は全体平均を大きく上回る水準といえます。ただし統計の対象は事業所に雇用されている勤務税理士であり、独立開業した税理士の事業所得は含まれていません。
経験年数別の年収レンジ|15年以上で1,000万円超も
同統計をもとにした経験年数別の年収は、次のとおりです(agaroot.jp)。
| 経験年数 | 年収目安 |
|---|---|
| 0年(初任給ベース) | 約526万円 |
| 1〜4年 | 約584万円 |
| 5〜9年 | 約684万円 |
| 10〜14年 | 約817万円 |
| 15年以上 | 約1,016万円 |
初任給(所定内給与額)の平均は月410,900円で、賞与を加えた年収換算は約526万円です。経験10年を超えるあたりから800万円台、15年以上では1,000万円超が一つの到達点になります。
男女別・年齢別の年収|男性約803万円・女性約654万円
男女別では、男性が約8,033,500円、女性が約6,541,400円と、絶対額では約150万円の差があります(agaroot.jp)。
ただし、それぞれの全国平均(男性約541万円・女性約415万円)を基準にした相対的な位置では、女性のほうがやや高くなるという分析もあります(nenshuu.com)。つまり税理士という職種の中では、全国平均でみられる男女間の賃金差ほどは差が開いていない可能性があります。
| 年齢層 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約428万円 | 約347万円 |
| 25〜29歳 | 約534万円 | 約491万円 |
| 30〜34歳 | 約668万円 | 約477万円 |
| 35〜39歳 | 約760万円 | 約618万円 |
| 40〜44歳 | 約872万円 | 約790万円 |
| 45〜49歳 | 約971万円 | 約882万円 |
| 55〜59歳 | 約1,370万円 | 約970万円 |
年齢・経験を重ねるほど上昇する傾向は男女共通ですが、30代・50代などで差が開く年齢層もあり、個人差が大きい点は押さえておきましょう。
企業規模・勤務先で年収は大きく変わる
税理士は同じ資格でも、所属する法人の規模や業務内容で年収が変わります。専門職区分のデータでは、企業規模別の年収は次のように整理されています(shikakuseek.com)。
- 大企業(1,000人以上):約1,043万円
- 中企業(100〜999人):約853万円
- 小企業(10〜99人):約661万円
大企業と小企業では約380万円の差があり、規模による格差は約1.6倍です。また東京・大阪などの都市部は顧問料の単価が高く、勤務先の給与水準も地方より高い傾向があります(hi-standard.pro)。
独立開業の税理士は統計に反映されない
ここまで紹介した金額は、あくまで雇用されて働く勤務税理士の給与データです。独立開業した税理士の収入は事業所得であり、賃金構造基本統計調査には含まれていません。
開業税理士の年収は、顧問先の数・単価・事務所の規模によって数百万円から数千万円まで幅が広く、公的な平均値を示す統計は見当たりません。この点は「税理士の平均年収」を語るときに最も誤解されやすいポイントです。
また、賃金構造基本統計調査では税理士と公認会計士を資格別に分離した統計は公表されていないため、公表値は「公認会計士・税理士」を合わせた職種区分に基づく点にも注意が必要です(shikakuseek.com)。
平均値だけを見てはいけない理由
平均年収は一部の高収入者に引っ張られやすい指標です。勤務税理士の年収中央値は600万〜700万円程度と推測されており、平均より低くなる傾向があります(hi-standard.pro)。
「税理士になれば自動的に800万円以上もらえる」わけではなく、年齢・経験・勤務先・地域によって実態は大きく異なると考えるのが妥当です。求人票や転職サイトの提示額は、こうした統計のレンジと照らし合わせて判断しましょう。
年収を上げるための現実的な方向性
- 実務経験を積み、法人税・相続税など専門性の高い領域を担当する
- 規模の大きい法人や都市部の事務所へキャリアを移す
- 管理職・パートナーなど責任範囲の大きいポジションを目指す
- 将来的に独立開業し、顧問先を積み上げる
いずれも年収を保証するものではありませんが、経験年数別・企業規模別のデータを見る限り、経験と専門性の蓄積が年収に反映されやすい職種だといえます。
この記事のポイント
- 令和7年の統計では税理士の平均年収は約811万円、全体平均(約490万円)を大きく上回る
- 集計区分により約766万〜856万円と幅があり、目安は760万〜860万円のレンジ
- 経験15年以上では年収約1,000万円台が一つの到達点
- 男女別では男性約803万円・女性約654万円と差がある
- 統計は雇用税理士のみで、独立開業の収入は含まれない
- 平均値は高収入者に引っ張られやすく、中央値は600万〜700万円程度と推測される