経理の年収相場はいくら?平均・役職別・業界別に徹底解説
経理の年収はどのくらい?まずは全体平均を確認
経理職に限った公的な平均年収は、今回確認できた統計資料の中では職種別に明示されていないため、不明な部分は概算として扱います。ただし、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与は男女計で月34万600円(年収換算で約490万円の水準)となっており、これが経理を含む事務系職種の年収を考える上でのベースラインになります。
経理は企業の規模や業種、担当範囲(記帳中心か、管理会計・決算・税務まで担うか)によって仕事の難易度が大きく変わります。そのため、同じ「経理」という肩書きでも年収には幅があり、一般的には年収350万円台から600万円台、管理職クラスでは700万円以上を狙えるポジションもあります。
- 一般労働者(男女計)の所定内給与は月34万600円(前年比3.1%増)
- 所定内給与ベースの年収換算は約490万円が全体の目安
- 経理は経験年数・担当範囲・業界で年収レンジが大きく変動する
経理の年収を左右する3つの要素
経理の年収を考える際に押さえておきたいのが「役職」「業界」「雇用形態」の3点です。統計では、役職別の賃金が部長級で月63万5,800円、課長級で月52万9,200円、係長級で月39万9,200円(いずれも男女計)となっており、役職が上がるほど年収が大きく伸びます。経理職でも経理部長・財務部長といった立場になると、年収800万円前後が視野に入ってきます。
また、業界による差も無視できません。金融・保険業は月43万7,000円(年収換算で約630万円)、製造業は月33万円(同約475万円)と、同じ事務職でも業界によって水準が異なります。経理はどの業界にも存在する職種だからこそ、業界選びが年収に直結しやすいといえます。
- 役職が上がると年収が大きく伸びる(部長級は月63万円台)
- 金融・保険業は年収換算で約630万円と高水準
- 製造業は年収換算で約475万円が目安
- 正社員と非正規では賃金水準に差がある(正社員358.8千円/以外241.7千円)
役職・経験別に見る経理の年収目安
以下は公的統計の役職別・勤続年数別の数値をもとにした、経理職の年収目安の概算です。経理は実務経験の蓄積が評価につながりやすい職種のため、勤続年数や担当業務の広がりが年収に反映されやすい傾向があります。統計では勤続30年以上の賃金が月44万4,200円(男女計)と最も高くなっており、長く経験を積むほど年収が上がる構造がうかがえます。
ただし、これらはあくまで統計全体の傾向であり、経理職だけを抽出した数値ではありません。実際の年収は企業の給与体系や地域、保有資格によって変わるため、あくまで目安として参考にしてください。
- 一般経理(経験1〜3年):年収350万〜450万円程度が目安
- 主任・係長クラス:年収450万〜550万円程度(係長級は月39.9万円)
- 課長・経理課長クラス:年収600万〜700万円程度(課長級は月52.9万円)
- 部長・経理部長クラス:年収800万円前後も視野(部長級は月63.6万円)
学歴・資格は年収にどう影響する?
統計では学歴別の賃金も公表されており、男女計で高校卒が月29万7,200円、大学卒が月39万6,300円と、学歴によって差があります。経理職の場合、学歴に加えて日商簿記2級・1級、公認会計士、税理士などの資格が評価されやすく、特に1級や会計士・税理士クラスになると年収が大きく変わる可能性があります。
一方で、経理は実務経験が重視される世界でもあります。資格がなくても実務で決算や税務申告を担える人は、転職市場で高い評価を得られることがあります。資格と実務経験を掛け合わせてキャリアを積むことが、年収アップの近道といえます。
- 大学卒は月39.6万円、高校卒は月29.7万円(男女計)
- 日商簿記1級、税理士、公認会計士などは評価されやすい
- 実務経験(決算・税務・管理会計)の有無も年収に影響
経理が年収を上げるためのポイント
経理として年収を上げるには、担当業務の幅を広げることが有効です。記帳や仕訳だけでなく、月次決算、年次決算、予算管理、資金調達、税務対応まで経験すると、管理部門の中核人材として評価されやすくなります。また、金融・保険業や専門・技術サービス業など、賃金水準の高い業界へ転職することも選択肢のひとつです。
統計では業種別に電気・ガス・熱供給・水道業が月44万4,000円、学術研究・専門・技術サービス業が月44万300円と高い水準にあります。こうした業界の経理職は、求められる専門性も高い傾向があるため、スキルアップと転職活動を並行して進めるとよいでしょう。
- 決算・税務・管理会計まで担当範囲を広げる
- 賃金水準の高い業界(金融・保険、専門サービスなど)を狙う
- 管理職を目指す、またはマネジメント経験を積む
- 資格取得と実務経験を組み合わせて市場価値を高める
手取りと年収の関係を知っておこう
年収が上がっても、税金や社会保険料が引かれるため手取りは年収のおよそ75〜85%が目安になります。たとえば年収500万円の場合、手取りはおおむね380万〜420万円程度になることが多く、年収600万円では手取り450万〜500万円程度が目安です。
経理として年収交渉や転職を考える際は、額面の年収だけでなく、賞与の有無や残業代、福利厚生も含めて確認することが大切です。統計の所定内給与には残業代が含まれていないため、実際の年収は残業や賞与によって変動します。
- 手取りは年収のおよそ75〜85%が目安
- 年収500万円なら手取り380万〜420万円程度
- 額面だけでなく賞与・残業代・福利厚生も確認する
この記事のポイント
経理職に特化した公的平均は確認できないため、一般労働者の統計をベースに目安を整理しました。実際の年収は企業や経験によって変わる点に注意してください。
- 一般労働者の所定内給与は月34万600円、年収換算で約490万円が全体の目安
- 経理は経験・役職・業界で年収350万〜800万円程度まで幅がある
- 役職別では係長級で月39.9万円、課長級で月52.9万円、部長級で月63.6万円
- 金融・保険業など賃金水準の高い業界を狙うと年収アップが期待できる
- 手取りは年収の75〜85%が目安。額面以外の条件も確認を