ふるさと納税 今年の年収がわからないときの限度額の決め方
結論:限度額は「今年の年収」で決まる。去年の源泉徴収票は目安
ふるさと納税の控除上限額(限度額)は、寄付をする年の1月1日〜12月31日の年収をもとに決まります。2026年に寄付するなら対象は2026年の年収で、手元にある2025年分の源泉徴収票はあくまで「目安」です。
理由は、ふるさと納税が「寄付した年の所得税」と「翌年の住民税」から控除される仕組みだからです。税金の計算はその年の所得をもとに行われるため、控除上限額もその年の年収で判定されます。
- 年収の対象期間:寄付する年の1月1日〜12月31日
- 控除される年:所得税は当年分、住民税は翌年6月〜
- 去年より年収が上がる見込みなら上限額も上がる/下がる見込みなら下がる
今年の年収がわからないときの予測手順
年の途中で寄付する場合、今年の年収はまだ確定していません。まずは「去年の実績」と「今年の現状」を組み合わせて、おおよその目安を立てるのが現実的です。
予測の段階では、実際の年収より50万円〜100万円ほど低めに見積もっておくと、寄付しすぎによる自己負担の増加を抑えられます。
- 去年の源泉徴収票の「支払金額」でベースの年収を把握する
- 直近の給与明細を並べ、月給やボーナスが増減していないか確認する
- 昇給・転職・残業減など、今年の変化を反映して補正する
- 予測年収は低め(50万〜100万円程度)に見積もる
年収別の控除上限額の目安(独身・共働きの例)
社会保険料を年収の15%と置き、給与収入以外の所得や住宅ローン控除・iDeCoなどがない前提で計算した目安です。実際の上限額は家族構成や他の控除で変わります。
全国の一般労働者の年収は約490万円(2025年・厚労省賃金構造基本統計調査ベースの概算)なので、年収500万円前後なら上限額は数万円台が一つの目安になります。
- 年収300万円:約2.8万円
- 年収400万円:約4.2万円
- 年収500万円:約5.7万円
- 年収600万円:約7.7万円
- 年収700万円:約10.8万円
- 年収1000万円:約17.7万円
家族構成で上限額は大きく変わる
同じ年収でも、配偶者控除や扶養控除があると住民税の所得割額が下がり、控除上限額も低くなります。共働きか片働きかでも差が出ます。
たとえば年収500万円の場合、独身・共働きで約5.7万円、夫婦+子1人(高校生)で約4.0万円、夫婦+子2人(大学生と高校生)で約2.8万円が目安です。
- 年収500万円・独身/共働き:約5.7万円
- 年収500万円・夫婦+子1人(高校生):約4.0万円
- 年収500万円・夫婦+子2人(大学生と高校生):約2.8万円
- 年収700万円・独身/共働き:約10.8万円
- 年収700万円・夫婦+子1人(高校生):約7.8万円
「年収」は額面で見る。手取りで計算しない
ふるさと納税でいう年収は、税金や社会保険料が引かれる前の総支給額(額面)です。手取り金額で計算すると、本来より低い上限額になり、返礼品の選択肢を狭めてしまいます。
手取りは額面のおよそ75〜85%が一般的です。源泉徴収票で確認する場合は「支払金額」の欄を見てください。
- 正解:額面(税・社会保険料控除前)で計算する
- 間違い:銀行口座に振り込まれる手取り額で計算する
- 源泉徴収票の「支払金額」=その年の年収
- 「給与所得控除後の金額」は上限額計算の年収欄には入れない
安全に使い切るための進め方
上限ギリギリまで寄付したい場合でも、年末まで年収は確定しません。11月までは予測年収から出した上限の9割程度に抑え、12月に正確な年収を確認してから残り枠を使う方法が安全です。
12月の給与明細や源泉徴収票で年収が確定したら、残りの枠を計算して追加寄付します。ただし12月31日の受領分までがその年の対象なので、年末ギリギリの申し込みは受領日に注意が必要です。
- 11月まで:予測した上限額の9割程度に抑える
- 12月下旬:給与明細・源泉徴収票で年収を確認する
- 12月31日まで:残り枠を追加で寄付する
- 予測より年収が低かった場合、超えた分はほとんど控除されない
見落としやすい注意点
住宅ローン控除・iDeCo・医療費控除・生命保険料控除がある人は、早見表の金額より上限額が低くなります。給与以外の所得(副業・年金・不動産・株式など)がある場合も計算が変わります。
令和8年度の税制改正で所得税の基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、所得税の税率区分が1段下がる人は上限額が少し下がる可能性があります。前年と同じ額を寄付している人は再計算がおすすめです。
- 各種控除がある人は上限額が下がる
- 副業・不動産・株式などの所得があると計算が変わる
- 税制改正で上限額が数千円下がる人がいる
- 正確な額は自治体の住民税担当や税務署、各サイトのシミュレーターで確認する
この記事のポイント
- 控除上限額は「寄付する年(今年)の年収」で決まる
- 去年の源泉徴収票は目安。直近の給与明細と合わせて予測する
- 予測は実際より50万〜100万円低めに見積もると安全
- 年収500万円・独身/共働きなら上限額は約5.7万円が目安
- 年収は額面で計算する(手取りは額面の75〜85%程度)
- 11月まで9割、12月に年収確定後、残り枠を使う