パイロット年収はいくら?機長・副操縦士別の平均と手取りの現実
パイロットの年収は平均1,500万〜1,700万円台がひとつの目安
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、航空機操縦士は全144職種の中で最も高い年収水準となる職種です。令和7年(2025年)調査の公表値をもとに所定内給与額×12か月+年間賞与で推計すると、全国平均は約1,576万円(所定内給与 月117.95万円、年間賞与160.43万円、平均年齢39.7歳、勤続12.8年)となります。nyumon-info.com
一方、令和6年調査の職種別データ(企業規模計・男女計)では、きまって支給する現金給与額が月126.84万円、年間賞与174.99万円で、推定年収は約1,697万円とされています。nenshuu.com
調査年や集計方法、残業代の扱いによって数字は動くため、「おおむね1,500万〜1,700万円台」を平均像としてとらえ、実際は会社・機種・役職で大きく上下すると考えるのが実態に近い見方です。
- 全国平均の推計年収:約1,576万円(令和7年調査ベース)
- 職種別の推定年収:約1,697万円(令和6年調査ベース)
- 一般労働者・男女計の平均は約490万円なので、比較にならない高水準
- 所定内給与だけで月100万円を超える点が他の職種との決定的な違い
機長と副操縦士で年収は大きく違う
パイロットの年収を語るとき、機長(キャプテン)と副操縦士(副操縦士/ファーストオフィサー)を分けることが重要です。国内26社をまとめた集計では、機長の平均年収は約1,850万円(レンジ1,000万〜3,500万円)、副操縦士の平均は約1,130万円(レンジ600万〜2,100万円)とされています。pilot-value.com
副操縦士は経験年数が浅い段階では600万〜800万円台にとどまることもあり、機長昇格後に一気に水準が上がる構造です。同じ会社・同じ路線でも、役職の違いで年収が数百万円単位で変わる点は理解しておきたいところです。
- 機長:平均約1,850万円、レンジ1,000万〜3,500万円
- 副操縦士:平均約1,130万円、レンジ600万〜2,100万円
- 昇格・機種変更・国際線か国内線かで差がつきやすい
- 「パイロット=全員が2,000万円超」というイメージは実態とズレがある
航空会社別の年収比較:上位はANA・JAL
会社別に見ると、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)が最も高い水準で、機長の平均は約2,700万円(レンジ2,200万〜3,500万円)、副操縦士は約1,800万円(レンジ1,400万〜2,100万円)とされています。pilot-value.com
LCCや地域航空では機長1,400万〜2,000万円台、副操縦士800万〜1,200万円台という水準も見られ、会社規模による差は無視できません。ひと口に「パイロット年収」と言っても、所属する会社で数百万円の差が出るのが現実です。
- ANA・JAL:機長 約2,700万円/副操縦士 約1,800万円
- ZIPAIR・ジェットスター・Peachなど:機長2,300万〜2,500万円前後
- 地域航空・小型機運航会社:機長1,200万〜1,700万円台も
- 会社の規模・路線網・給与体系が年収を左右する
手取りは額面の6〜7割が目安
年収が1,500万円を超えると、所得税・住民税・社会保険料の負担が大きくなります。額面1,700万円の場合、手取りはおおむね1,050万〜1,200万円程度(約62〜70%)が目安です。
また、パイロットは海外滞在や宿泊を伴う勤務があるため、手当や精算の扱いが会社ごとに異なります。額面の数字だけで生活設計を考えず、手取りベースで住宅ローンや積立額を検討するのが安全です。
- 額面1,500万円:手取り約950万〜1,050万円が目安
- 額面1,700万円:手取り約1,050万〜1,200万円が目安
- 社会保険料・所得税・住民税で3割前後が引かれる
- 手当や精算の扱いは会社ごとに差がある
パイロットの年収が高い理由
パイロットの年収が高い背景には、①国家資格(事業用操縦士・定期運送用操縦士)が必要で参入ハードルが高い、②安全運航に対する責任が重い、③訓練・審査・健康管理など継続的なコストがかかる、といった理由があります。
さらに、労働時間や乗務時間が法令で厳格に管理されており、長時間労働で稼ぐ構造ではありません。希少性と責任の大きさが、他職種と比べて突出した年収水準につながっていると考えられます。
- 資格取得までの訓練費・時間が膨大
- 安全に対する責任と法的規制が重い
- 乗務時間の上限管理があり、残業で稼ぐタイプではない
- 航空業界全体の賃金水準が高い
世界的に見ると日本のパイロット年収は高くない
掲載51カ国・112社の比較では、世界の機長平均は約2,480万円、日本は約1,850万円で約25%低い水準とされています。順位でも51カ国中35位です。pilot-value.com
日本の一般労働者平均と比べれば圧倒的に高いものの、海外の大手航空会社と比べると見劣りする点は、海外移籍を考える際の判断材料になります。
- 世界112社の機長平均:約2,480万円
- 日本の機長平均:約1,850万円(世界平均より約25%低い)
- 51カ国中35位
- 国内では高水準、国際比較では中位という位置づけ
この記事のポイント
パイロットの年収は、公的統計では約1,500万〜1,700万円台が平均の目安です。ただし機長と副操縦士、所属会社によって数百万円の差があり、額面だけでなく手取りベースで考えることが大切です。
統計年や集計方法によって数値が変わるため、複数の出典を確認し、最新の賃金構造基本統計調査もあわせてチェックすることをおすすめします。
- 全国平均の推計年収は約1,576万円(令和7年調査ベース)
- 機長 約1,850万円、副操縦士 約1,130万円が国内の目安
- ANA・JALが最高水準で機長約2,700万円
- 手取りは額面の6〜7割が目安
- 世界平均と比べると日本は約25%低い