教員の給料は高すぎ?年収平均をデータで検証
教員の給料は高すぎなのか?まずはデータで確認
教員の給料が「高すぎる」と話題になることがあります。しかし、実際の給与水準はどうなのでしょうか。厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査によると、教育・学習支援業の一般労働者の平均月給(所定内給与)は39.67万円でした。これは全産業平均の34.06万円を上回っています。
ただし、この数字は大学教員や塾講師なども含む「教育・学習支援業」全体の平均です。小・中・高の教員だけに限定した数字ではない点に注意が必要です。また、月給には残業代や賞与は含まれていません。
- 全産業平均の月給:34.06万円
- 教育・学習支援業の月給:39.67万円
- 差額:約5.6万円
他産業と比べると教員の給料は高い?
教育・学習支援業の月給39.67万円は、産業別で見ると中〜上位に位置します。例えば、電気・ガス・熱供給・水道業は44.4万円、学術研究・専門・技術サービス業は44.03万円、金融・保険業は43.7万円、情報通信業は40.6万円となっています。教育はこれらよりやや低いものの、製造業の33.0万円よりは高くなっています。
このように、教育・学習支援業の給与は決して低くはありませんが、突出して高いわけでもありません。職種別に見ると、専門的・技術的職業従事者の平均月給は37.98万円で、管理的職業従事者の59.1万円より低くなっています。
- 電気・ガス・熱供給・水道業:44.4万円
- 学術研究・専門・技術サービス業:44.03万円
- 金融・保険業:43.7万円
- 情報通信業:40.6万円
- 教育・学習支援業:39.67万円
- 製造業:33.0万円
教員の年収はどのくらい?
月給から単純計算すると、教育・学習支援業の年収は約476万円(39.67万円×12ヶ月)になります。これに賞与を加えると、500万〜650万円程度になる可能性があります。ただし、これはあくまで平均値であり、年齢や勤続年数、地域、公立か私立かによって大きく異なります。
参考までに、全産業の一般労働者の平均年収は約490万円と推計されています。男性は約540万円、女性は約410万円です。学歴別では大学卒で約570万円、高校卒で約420万円となっています。教員の年収はこれらと比べて極端に高いわけではありません。
- 教育・学習支援業の月給:39.67万円
- 単純計算の年収:約476万円
- 賞与込みの年収目安:500万〜650万円
- 全産業平均年収:約490万円
なぜ「教員の給料は高すぎ」と言われるのか
教員の給料が高すぎると言われる背景には、公務員としての安定性や手当の多さが挙げられます。また、地方では教員の給与が地域の平均より高い場合もあり、目立つことがあります。しかし、教員は長時間労働や保護者対応など、給与以外の負担も大きい職種です。
さらに、教育・学習支援業の短時間労働者(パート・非常勤)の1時間当たり賃金は2,541円で、産業別で最も高くなっています。これは非常勤講師などの時給が高いことを示していますが、常勤教員の残業代が十分に支払われていない可能性も指摘されています。
- 公務員としての安定性
- 各種手当(地域手当、住居手当など)
- 長時間労働や無償残業の存在
- 短時間労働者の時給は産業別で最高
教員の給料を判断する際の注意点
教員の給料を「高すぎ」と一概に判断するのは難しいです。公立学校の教員は都道府県ごとの給与体系で、地域差が大きいです。また、私立学校は学校法人ごとに給与が異なります。大学教員は研究費や外部資金などもあり、単純比較できません。
総務省や文部科学省の調査では、教員の平均給与は他公務員と比べて特別に高いわけではないというデータもあります。ただし、給与の決定方法や手当の内容は複雑で、一般の民間企業と単純比較できない点には注意が必要です。
- 公立と私立で給与体系が異なる
- 地域による差が大きい
- 大学教員は職位や研究業績で大きく変動
- 残業代の支払い状況も考慮する必要あり
この記事のポイント
- 教育・学習支援業の平均月給は39.67万円で、全産業平均34.06万円より高い
- しかし他産業と比べると中〜上位で、突出して高いわけではない
- 年収は賞与込みで500万〜650万円程度が一つの目安
- 教員の給与は地域・公立/私立・職種で大きく異なる
- 「高すぎ」という印象だけでなく、労働環境も含めて判断することが重要