歯科医師の年収はいくら?平均・年齢別・開業医との差を解説
結論:歯科医師の平均年収は約1,000万円台前半
厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」を基にした集計では、歯科医師(10人以上の事業所)の平均年収は1,062万6,900円、平均月給(各種手当込み)は84万9,900円、賞与は42万8,100円とされています(guppy.jp)。前年の2024年は1,135万5,200円で、調査年による振れはあるものの、おおむね1,000万円前後で推移しています。
参考として、厚労省の2025年調査では一般労働者(男女計)の平均賃金は月額340.6千円で、年収換算ではおおむね450〜500万円程度です(mhlw.go.jp)。歯科医師は資格職の中でも高収入帯に位置し、平均像としては「年収1,000万円前後、レンジとしては600万円台〜1,500万円台」と捉えるのが実態に近いといえます。
ただし、これらの数値はあくまで平均・推計であり、勤務先の規模や開業か勤務かで大きく変わります。個々の年収を保証するものではありません。
- 歯科医師の平均年収:約1,063万円(2025年・10人以上事業所)
- 前年(2024年):約1,135万円
- 平均月給:約85万円/賞与:約43万円
- 全体(一般労働者)の平均は年収450〜500万円程度
年齢別の年収推移|30代で1,000万円台、40代がピーク
年齢別に見ると、20代前半は研修・経験蓄積の時期で年収は低め、30代で1,000万円台に到達し、40代前半がもっとも高い水準になります。以下は賃金構造基本統計調査を基にした推計値です(guppy.jp)。
60代以降は開業医が経営を後進に譲るケースや、勤務時間を抑えるケースが増えるため平均は下がります。なお、同じ調査でも集計条件によって数値が異なることがあり、40代・50代の金額には出典間で差が見られます。
- 20〜24歳:約248万円
- 25〜29歳:約563万円
- 30〜34歳:約1,183万円
- 35〜39歳:約1,215万円
- 40〜44歳:約1,352万円(ピーク帯)
- 45〜49歳:約1,283万円
- 50〜54歳:約1,135万円
- 55〜59歳:約1,151万円
- 60〜64歳:約761万円
- 70歳以上:約727万円
勤務医と開業医で年収は大きく違う
歯科医師の年収を考えるうえで最も大きな分岐点が「勤務医か開業医か」です。厚生労働省「医療経済実態調査」を基にした情報では、医療法人の院長の平均年収は約1,300〜1,500万円(賞与込み)とされる一方、個人の歯科医師の平均年収は約500〜700万円とされています(guppy.jp)。
開業率は全体の約54%、働き盛りの50〜60代では約70〜80%が開業歯科医というデータもあり、キャリア後半になるほど経営者としての収入が平均を押し上げる構造です。ただし開業は設備投資・借入・患者数変動のリスクを伴い、収入が安定して高いとは限りません。
一般的なイメージとしては、勤務医は年収500〜900万円台、好条件のクリニックや管理者クラスで1,000万円台、開業医は年収300万円台の赤字期から1,500万円超まで幅がある、というレンジ感になります。
- 勤務医:年収500〜900万円台が中心、管理者で1,000万円台も
- 開業医(院長クラス):約1,300〜1,500万円(賞与込み)
- 個人開業の平均:約500〜700万円
- 開業率は約54%、50〜60代では70〜80%
就業先の規模・雇用形態でも年収は変わる
同じ勤務医でも、勤務先の事業所規模によって平均年収に差が出ます。10〜99人規模の事業所では1,170万8,800円と最も高く、1,000人以上の大規模事業所では805万1,800円と最も低いという結果が報告されています(guppy.jp)。
大規模病院は給与テーブルが固定的で、中小規模の診療所は歩合・院長報酬の影響が大きいことが背景にあるとみられます。パート・非常勤の場合、時給換算では5,000〜6,000円前後が一つの目安とされていますが、勤務時間数によって年収は大きく変わります。
- 10〜99人規模:約1,171万円(最も高い)
- 1,000人以上規模:約805万円(最も低い)
- 非常勤・パート:時給5,000〜6,000円前後が目安
- 雇用形態(常勤/非常勤、歩合の有無)で総額が変動
手取りの目安|額面1,000万円でも手取りは約7〜8割
年収1,063万円の場合、所得税・住民税・社会保険料を差し引いた手取りは、扶養や控除の条件によって変わりますが、一般的には額面のおよそ7〜8割、月額で50〜60万円前後が目安になります。
歯科医師は開業している場合、国民健康保険・国民年金に加入するため、勤務医(健康保険・厚生年金)よりも社会保険料の負担が重くなる点に注意が必要です。また、医院の経費と個人の家計が混ざりやすいため、開業医の「年収」と「使えるお金」は一致しません。
正確な手取りは年齢・居住地・扶養人数・各種控除で変わるため、ここでは明確な断定は避けます。詳細は自治体の税務窓口や税理士に確認してください。
- 額面1,063万円の手取り目安:おおむね700〜850万円程度
- 勤務医は社会保険料が天引き、開業医は国民健康保険・国民年金
- 開業医は経費と家計の分離が重要
年収を上げる現実的なルート
歯科医師の年収を上げる方法は、大まかに「勤務先の選択」「専門性の確立」「開業」の3つに分けられます。
勤務先の選択では、給与テーブルの高いクリニックや、歩合・インセンティブ制度のある医院へ移ることが短期的な増収につながります。専門性では、矯正・インプラント・口腔外科・訪問歯科など単価の高い領域のスキルを身につけることで、求人条件が良くなりやすい傾向があります。
開業は年収の上限が上がる一方、開業資金・集患・スタッフ採用などのリスクを伴います。開業後の年収は患者数に直結するため、経営手腕が収入を大きく左右します。
- 高条件の勤務先・歩合制度のある医院へ転職する
- 矯正・インプラント・訪問歯科など専門領域を強化する
- 歯科医師の求人倍率は高めで、条件交渉の余地がある
- 開業は上限が高いが、資金・集患リスクも大きい
この記事のポイント
歯科医師の年収は平均1,000万円前後と高水準ですが、勤務形態・年齢・事業所規模・開業の有無で大きく変わります。平均値だけで判断せず、自分のキャリア段階に近い数値を確認することが重要です。
- 2025年の平均年収は約1,063万円、前年は約1,135万円
- 30代で1,000万円台、40代前半がピーク(約1,352万円)
- 勤務医は500〜900万円台、開業医は1,300〜1,500万円が一つの目安
- 10〜99人規模の事業所が最も高く、大規模病院は低め
- 手取りは額面のおよそ7〜8割が目安
- 数値は調査年・集計条件で変動するため参考値として扱う