獣医師の年収はいくら?平均680万円の内訳と経験年数・男女差を解説
獣医師の平均年収は約680万円(令和7年統計・推計)
厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」の職種別データをもとに、獣医師の年収を「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で計算すると、平均年収は約680万5,100円(推計)となります。これは公表値そのものではなく、公表された月額給与と賞与額を組み合わせて算出した推計値です。
対象は職種「獣医師」の一般労働者(短時間労働者を除く)で、男女計・全産業・常用労働者10人以上の民営事業所の平均です。平均年齢は38.7歳と、獣医師としては経験を積んだ層が中心のため、新卒・若手はこれより低めになる点に注意してください。
- 平均年収(推計):約680万5,100円
- 平均月収(所定内給与):約45万3,100円
- 平均年齢:38.7歳
- 算出方法:月給×12か月+年間賞与等(厚労省データを加工)
月収と賞与の内訳|毎月約49.7万円+賞与約83.9万円
年収を分解すると、残業代や通勤手当などを含む「きまって支給する現金給与額」は月額約49万7,200円、これを12か月分にすると約596万6,400円になります。これに年間賞与・その他特別給与額の約83万8,700円が加わり、年収約680万円台となる計算です。
残業代を含まない所定内給与は月約45万3,100円です。獣医師は夜間救急や当直がある職場も多く、残業・手当の有無が月収の差として表れやすい点が特徴です。
- 月額給与(残業等含む):約49万7,200円
- 所定内給与(残業等を除く):約45万3,100円
- 年間賞与・特別給与:約83万8,700円
- 年収換算(推計):約680万円台
経験年数別の月収|1〜4年目は約39.6万円、15年以上は約81.6万円
経験年数別に月収を見ると、1〜4年目は約39.61万円、5〜9年目は約49.88万円、10〜14年目は約61.22万円、15年目以上は約81.58万円となっています(令和6年資料を参考にした比較)。単純に12か月分に置き換えると、若手は年収450万〜500万円前後、経験10年以上では700万円台、管理職・院長クラスでは900万円を超えるケースも想定されるレンジです。
ただし、これらは賞与を含まない月収ベースの比較です。実際の年収は賞与の支給月数や手当によって変動するため、あくまで目安として捉えてください。
- 1〜4年目:月収約39.6万円(年収450万〜500万円前後が目安)
- 5〜9年目:月収約49.9万円(年収600万円前後が目安)
- 10〜14年目:月収約61.2万円(年収730万円前後が目安)
- 15年目以上:月収約81.6万円(年収900万円超も想定されるレンジ)
男性獣医師と女性獣医師の年収差
令和7年調査の獣医師の男女別賃金は、男性が所定内給与48万9,000円・現金給与額53万3,200円、女性が所定内給与41万7,200円・現金給与額46万1,200円でした。月額で見ると男性が数万円高い水準です。
ただし、これは年齢構成や勤続年数、役職、就業時間の違いを含んだ平均値です。同じ経験年数・同じ職場であっても個人差が大きいため、単純な男女差と断定はできません。全体の男女間賃金格差(男性=100とした場合)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も縮小しています。
- 男性:所定内給与48.9万円/現金給与額53.32万円
- 女性:所定内給与41.72万円/現金給与額46.12万円
- 全国の男女間賃金格差(男性=100):76.6
勤務先の規模で年収はどう変わる?
賃金構造基本統計調査の企業規模別データでは、10〜99人の事業所は現金給与額52万6,500円・年間賞与54万4,200円、100〜999人は43万7,200円・123万8,000円、1,000人以上は48万9,300円・133万5,400円となっています。小規模事業所は月収が高めで賞与が低め、大規模事業所は月収が抑えめでも賞与が厚い傾向が読み取れます。
獣医師の場合も、個人経営に近い動物病院と、資本力のある法人・チェーン、製薬・食品・公務などの勤務先で報酬体系が異なります。年収は「月収×12+賞与」の総額で比較することが重要です。
- 10〜99人:現金給与52.65万円/賞与54.42万円
- 100〜999人:現金給与43.72万円/賞与123.8万円
- 1,000人以上:現金給与48.93万円/賞与133.54万円
- 小規模は月収型、大規模は賞与型の傾向
開業獣医・自営業は統計に含まれない点に注意
今回紹介した約680万円という数字は、雇われて働く一般労働者の平均です。自営業者や経営者(開業獣医)は調査対象に含まれていません。開業している場合は医院の規模や経営状況によって収入の幅が非常に大きく、年収1,000万円を超える場合もあれば、開業初期は数百万円台にとどまる場合もあります。
また、令和2年以降は有効回答率を考慮した推計方法に変更されているため、前年比較の数値は同じ推計方法で算出されています。統計の前提を確認したうえで参考にしてください。
- 統計の対象:常用労働者10人以上の民営事業所に雇われた一般労働者
- 対象外:自営業者・経営者・開業獣医
- 開業の場合は収入の変動が大きく、統計平均は参考にならないことがある
手取りの目安|年収680万円なら月々約34万〜36万円前後
年収680万円の場合、所得税・住民税・社会保険料を差し引いた手取りは、概ね年510万〜540万円程度、月々にすると約34万〜36万円前後が目安となります(扶養家族の有無や居住地、課税所得によって変動します)。
賞与が年に2回支給される職場では、毎月の手取りはさらに少なくなり、賞与月にまとまった金額が入る形になります。転職時は月給だけでなく、賞与・手当・残業の有無を含めた総支給額で比較しましょう。
- 年収680万円の場合の手取り目安:年510万〜540万円程度
- 月々の手取り目安:約34万〜36万円前後
- 社会保険料・税金の負担は年収が上がるほど増える
- 手取りは家族構成・居住地・課税所得で変動する
獣医師が年収を上げるために検討できること
臨床現場では「仕事内容と給与が見合わない」と感じる獣医師も少なくありません。年収を上げる方法としては、経験を積んで専門分野(外科・腫瘍・救急など)のスキルを高める、管理職・院長を目指す、規模の大きい法人や企業系の勤務先に移る、公務・研究・製薬など別領域に広げるなどが考えられます。
近年はフリーランスやオンライン診療といった働き方も広がり、報酬体系の選択肢が増えています。労働環境や給与の見直しも進んでいる業界ですが、待遇は勤務先ごとの差が大きいため、複数の求人を比較して判断することが現実的です。
- 専門スキル・資格の獲得で市場価値を高める
- 管理職・院長など役職を目指す
- 法人・チェーン・企業系など報酬体系の違う勤務先を比較する
- フリーランス・オンライン診療など新しい働き方も選択肢
この記事のポイント
- 獣医師の平均年収は約680万5,100円(厚労省・令和7年調査を基にした推計値)
- 月給約49.7万円+年間賞与約83.9万円という内訳
- 経験年数別では1〜4年目で年収450万〜500万円前後、15年以上で900万円超も想定されるレンジ
- 男性の方が月収は高めだが、年齢・勤続年数・役職の差を含む平均値である
- 勤務先規模によって月収型・賞与型の傾向が分かれる
- 開業獣医・自営業は統計対象外で、収入の幅は非常に大きい
- 手取りは年収680万円で年510万〜540万円程度が目安