生涯年収とは?平均額と学歴・企業規模別の目安を解説

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生涯年収(生涯賃金)とは何か

生涯年収とは、ひとりの労働者が現役期間を通じて得る賃金の総額を指します。公的統計では「生涯賃金」という言葉で推計されることが多く、学校卒業から定年(60歳)までに受け取る給与・賞与の合計として計算されるのが一般的です。

計算のしくみは「各年齢の平均賃金を積み上げる」方式です。たとえば年収500万円で40年間働けば単純計算で2億円になりますが、実際には20代は低く50代でピークを迎える賃金カーブをたどるため、単純な掛け算とは結果が変わります。

  • 生涯年収=現役期間中の給与・賞与の総額(退職金を含めるかは推計により異なる)
  • 公的推計では「学卒入職〜60歳」を対象にするものが多い
  • 賃金カーブを反映するため、平均年収×勤続年数の概算より精度が高い

生涯年収の平均的な目安(学歴・男女別)

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ユースフル労働統計2025」では、学校卒業後にフルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金(退職金を含めない)が推計されています。男性は高校卒で約2億2,000万円、大学卒で約2億6,000万円、女性は高校卒で約1億6,000万円、大学卒で約2億1,000万円という水準です(jil.go.jp)。

さらに、60歳で定年退職金を受け取り、その後は平均的な引退年齢まで非正社員として働き続けた場合の生涯賃金は、男性が高校卒で約2億8,000万円、大学卒で約3億4,000万円、女性が高校卒で約2億円、大学卒で約2億7,000万円とされています。

  • 男性:高校卒 約2億2,000万円/大学卒 約2億6,000万円(60歳まで・退職金除く)
  • 女性:高校卒 約1億6,000万円/大学卒 約2億1,000万円(同条件)
  • 60歳以降も非正社員で働く場合は上記より5,000万〜8,000万円程度増える試算

同一企業に勤め続けた場合の生涯年収

新卒で入社した企業に定年まで勤め続ける「同一企業型」の職業生涯では、生涯賃金(定年まで・退職金を含めない)は男性が高校卒で約2億6,000万円、大学卒で約2億9,000万円、女性が高校卒で約1億9,000万円、大学卒で約2億4,000万円となっています(jil.go.jp)。

学歴が高いほど就業年数は短くなりますが、賃金水準が高くなるため、結果として生涯賃金は多くなる傾向が示されています。

  • 男性:高校卒 約2億6,000万円/大学卒 約2億9,000万円
  • 女性:高校卒 約1億9,000万円/大学卒 約2億4,000万円
  • 転職の有無や企業規模によって金額は大きく変動する

企業規模別に見た生涯年収の差

企業規模が大きくなるほど生涯賃金は多くなる傾向があります。正社員を続けた場合の男性大学卒では、企業規模1,000人以上で約3億円に達する一方、10〜99人規模では約2億1,000万円と、9,000万円程度の開きがみられます。

60歳以降も働くケースでは、大学卒の男性は10〜99人規模で約2億8,000万円、1,000人以上で約3億8,000万円、女性は10〜99人規模で約2億2,000万円、1,000人以上で約3億円となっています。

  • 男性大学卒:1,000人以上 約3億円/10〜99人 約2億1,000万円
  • 大企業と中小企業では数千万円〜1億円近い差が出ることがある
  • 役職・職種・地域によって同じ規模でも幅がある点に注意

2025年の賃金水準から見た年収換算の参考値

厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者(短時間労働者以外)の6月分所定内給与額は男女計34万600円、男性37万3,400円、女性28万5,900円でした(mhlw.go.jp)。賞与を含めた年収に換算すると、男女計で概ね450万〜520万円程度が一つの目安になります。

学歴別では高校卒29万7,200円、大学卒39万6,300円、大学院卒51万7,400円と差があり、年収換算では高校卒で概ね420万円前後、大学卒で概ね570万円前後が参考レンジです。業種別では電気・ガス・熱供給・水道業(44万4,000円)や学術研究・専門・技術サービス業(44万3,000円)が高く、宿泊業・飲食サービス業(27万7,200円)が低い水準となっています。

  • 男女計:月額約34.1万円 → 年収換算で約450万〜520万円のレンジ
  • 男性:月額約37.3万円/女性:月額約28.6万円(男女間格差は76.6)
  • 大学卒:月額約39.6万円 → 年収換算で約570万円前後が目安
  • 高水準業種(電気・ガス・水道、専門・技術サービス)は月額44万円台

生涯年収を左右する主な要因

生涯年収は「年収の高さ」だけでなく「働く年数」にも左右されます。同じ年収でも、働き続ける期間が5年長ければ数千万円単位で総額が変わります。

また、正社員と非正社員の差も無視できません。2025年の調査では、正社員・正職員の月額35万8,800円に対し、正社員・正職員以外は24万1,700円で、雇用形態間の格差(正社員=100)は67.4となっています。

  • 年収の高さ、就業年数、雇用形態(正社員/非正社員)の3点が大きい
  • 企業規模・業種・学歴・役職も影響する
  • 転職による年収アップは、生涯年収ベースでもプラスになり得る

注意点:生涯年収の数字はあくまで推計

生涯年収として示される金額は、現在の年齢別平均賃金を積み上げた推計値です。物価や賃金水準の変化、経済情勢、個々のキャリアによって実際の金額は変わります。

「必ずこの金額になる」という保証ではなく、あくまで平均的な目安として参考にしてください。業種や地域、働き方によっては大きく上振れ・下振れします。

  • 推計値であり、個人の将来年収を保証するものではない
  • 賞与・退職金・社会保険料・税金の扱いは推計方法により異なる
  • 手取りベースでは額面より2割前後少なくなるのが一般的

この記事のポイント

  • 生涯年収は学卒から定年までの賃金総額。公的推計では男女・学歴・企業規模別に算出される
  • 正社員継続なら男性大学卒で約2億6,000万円、女性大学卒で約2億1,000万円が目安
  • 企業規模1,000人以上と10〜99人では数千万円〜1億円近い差が出ることがある
  • 2025年の賃金水準は男女計で月額約34.1万円、年収換算で450万〜520万円程度
  • 数字はあくまで推計。就業年数・雇用形態・業種で実際の金額は変わる

参考情報

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