図書館司書の給料・年収はいくら?雇用形態別の目安と手取りを解説

キーワード: 図書館司書 給料

図書館司書の給料・年収は公表統計だけでは一律に示しにくい

図書館司書の年収を調べると「300万円台」「400万円台」など幅のある情報が出てきます。これは、司書という職種名だけで給料が決まるわけではなく、公立図書館の公務員なのか、大学・企業・専門図書館の民間職員なのか、それとも非常勤・派遣・委託なのかで賃金体系が大きく異なるためです。

また、令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査では一般労働者(男女計)の所定内給与が月額34.06万円、前年比3.1%増と公表されていますが、これは全産業・全職種の平均であり、図書館司書だけの平均値ではありません。司書の年収は「雇用形態別のレンジ」で考えるのが実態に近い見方です。

  • 一般労働者・男女計(2025年):所定内給与 月34.06万円/年収換算 約490万円レンジ
  • 男性:月37.34万円/年収換算 約540万円レンジ
  • 女性:月28.59万円/年収換算 約410万円レンジ(男女間格差は男=100で76.6)

雇用形態別に見る図書館司書の年収目安

公立図書館の正規職員は地方公務員として採用されるため、自治体の給与表にもとづき、大卒・高卒などの学歴や経験年数で決まります。地域や自治体規模による差が大きく、都市部の政令市・都道府県立クラスでは高め、小規模町村では低めになりやすい傾向があります。

一方、民間の図書館・専門図書館・学校図書館、指定管理者制度で運営される図書館では、民間企業の給与体系になります。同じ「司書」でも、正規雇用か非正規雇用かで年収は数百万円単位で差が出ることがあります。

  • 公立図書館の正規職員(地方公務員):年収 約400万〜600万円台のレンジが目安。地域・学歴・勤続で変動
  • 大学図書館・企業・専門図書館などの正規職員:年収 約300万〜500万円台のレンジが目安
  • 非常勤・嘱託・派遣・委託スタッフ:年収 約120万〜250万円台が中心。時給1,000〜1,500円台の求人が多い傾向
  • 司書資格があっても、非正規では年収200万円前後にとどまるケースがある

産業別データから見る「司書」の位置づけ

公立図書館や学校図書館は「教育,学習支援業」に分類されることが多く、令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査では同産業の所定内給与(男女計)は月39.67万円、産業別では比較的高い水準に位置します。ただし、この数値は教員や大学教員なども含む産業全体の平均で、司書だけの水準を示すものではありません。

民間の図書館運営は「サービス業」や「卸売業,小売業」に近い水準になることもあり、産業平均よりも低くなる可能性があります。非正規割合が高い職場では、時給ベースの短時間労働者の賃金(2025年・女性1,418円)に近い水準で働くケースも少なくありません。

  • 教育,学習支援業(2025年・男女計):月39.67万円/年収換算 約570万円レンジ
  • 医療,福祉(同):月32.55万円/年収換算 約470万円レンジ
  • 宿泊業,飲食サービス業(同):月27.72万円/年収換算 約400万円レンジ(最低水準帯)
  • 短時間労働者(女性・2025年):1時間あたり1,418円

学歴・勤続年数で変わる年収の考え方

地方公務員の給料は学歴と勤続年数で決まる部分が大きく、高校卒・短大卒・大学卒でスタートの号俸が変わります。令和7年(2025年)の学歴別所定内給与は高校297.2千円、大学396.3千円で、同じ勤続でも学歴による差が生じます。

正規採用であれば勤続20〜30年で年収500万〜600万円台に届くこともありますが、非正規雇用の場合は勤続を重ねても昇給幅が小さく、年収が大きく伸びにくいのが実情です。

  • 高校卒(2025年):所定内給与 月29.72万円/年収換算 約420万円レンジ
  • 大学卒(2025年):所定内給与 月39.63万円/年収換算 約570万円レンジ
  • 新規学卒者は高校207.3千円、大学262.3千円(2025年・男女計)
  • 都道府県別では東京都(418.3千円)が最も高く、地域差が年収に影響

手取りの目安

年収から社会保険料や税金を差し引いた手取りは、おおむね額面の75〜85%が目安です。年収400万円の場合、手取りは年間約310万〜340万円(月あたり約26万〜28万円)程度になることが多いです。

年収250万円の非正規の場合、手取りは年間約200万〜210万円(月あたり約16万〜17万円)前後が目安となります。住民税や扶養の状況、自治体の保険料率によって金額は変わります。

  • 年収400万円 → 手取り 年間約310万〜340万円
  • 年収300万円 → 手取り 年間約235万〜255万円
  • 年収250万円 → 手取り 年間約200万〜210万円

図書館司書の給料を上げるための現実的な選択肢

司書として年収を上げたい場合、まず正規雇用(公立図書館の公務員試験、大学・企業の正職員採用)を目指すことが最も効果的です。自治体の採用試験は倍率が高く、募集人数が少ない年もありますが、一度正規採用されれば給与表にもとづく昇給が見込めます。

すでに非正規で働いている場合は、常勤職員への登用制度がある自治体を選ぶ、司書以外の資格(学校司書、学芸員、ITスキルなど)を掛け合わせる、民間の情報管理・アーカイブズ・ナレッジマネジメント職に転身するといった道も考えられます。

  • 公立図書館の正規採用(公務員試験)を目指す
  • 大学・企業の図書館部門で正職員として採用される
  • 常勤登用制度・任期付き採用のある自治体を選ぶ
  • 司書+IT・データ管理スキルで民間求人に応募する

この記事のポイント

図書館司書の年収は、公務員の正規か民間の非正規かで大きく異なり、一律の平均値は公表統計では確認しにくいのが現状です。下記のポイントを押さえておきましょう。

  • 公立図書館の正規職員は年収400万〜600万円台が目安、地域差が大きい
  • 民間・大学・専門図書館の正規職員は年収300万〜500万円台が目安
  • 非常勤・派遣・委託は年収120万〜250万円台が中心
  • 2025年の一般労働者(男女計)は月34.06万円・年収換算約490万円レンジ
  • 教育,学習支援業の産業平均は月39.67万円だが司書だけの数値ではない
  • 年収を上げるには正規雇用への転換が最も現実的

参考情報

← 記事一覧へ · 記事を検索 · 年収指数を見る · トピック一覧