年収と所得の違いとは?手取り・平均年収も解説

キーワード: 年収と所得の違い

年収と所得の違いをひと言でいうと

年収は「税金や社会保険料が引かれる前の、1年間の総支給額」です。一方、所得は「収入から必要経費や控除を差し引いたあとの金額」を指します。会社員などの給与所得者であれば、年収(収入)から給与所得控除を差し引いた金額が「給与所得」になります。

そのため、金額の大きさは基本的に 年収 > 所得 > 課税所得 > 手取り の順になります。同じ「年収500万円」でも、所得や手取りは人によって変わる点が重要です。

年収の定義:額面の総支給額

年収とは、1月から12月までに支払われた額面の総支給額です。基本給だけでなく、各種手当や残業代、賞与、インセンティブなどが含まれます。会社員の場合、年末に交付される源泉徴収票の「支払金額」がこれにあたります。

なお、年収には社会保険料や所得税・住民税は含まれたままの金額です。実際に口座へ振り込まれる金額とは異なる点に注意してください。

  • 年収に含まれるもの:基本給、役職手当、通勤手当、残業代、賞与、インセンティブなど
  • 年収に含まれないもの:社会保険料や税金を差し引いた手取り額、経費の立て替え精算で戻ってきたお金など

所得の定義:収入から経費・控除を引いた額

税法上の所得は「収入金額 − 必要経費」で計算します。給与所得者は経費を個別に集計する代わりに、給与所得控除というみなし経費が適用されます。自営業やフリーランスの場合は、実際にかかった経費を収入から差し引きます。

さらに、所得から基礎控除や社会保険料控除、配偶者控除などの所得控除を差し引いたものが「課税所得」です。所得税はこの課税所得に税率を掛けて計算されます。所得と課税所得も別のものなので混同しないようにしましょう。

手取りとの違い

手取りは、所得からさらに所得税・住民税・社会保険料を差し引いたあと、実際に受け取る金額です。一般的には年収の75〜85%程度が目安といわれますが、家族構成、住んでいる自治体、加入する健康保険の料率などで変わります。

「所得=手取り」と説明されることがありますが、厳密には別の概念です。会話の中では手取りを指して所得と呼ぶこともあるため、文脈を確認する必要があります。

年収から所得・手取りをイメージする(万円レンジ)

給与所得控除の計算式をもとにした、おおよその目安は次のとおりです。あくまで概算レンジであり、控除額は税制改正で見直されることがあるため、最新の国税庁資料で確認してください。

  • 年収300万円台:給与所得はおおむね200万円台前半、手取りは240〜270万円前後
  • 年収400万円台:給与所得は270〜290万円前後、手取りは310〜340万円前後
  • 年収500万円台:給与所得は350万円前後、手取りは380〜420万円前後
  • 年収600万円台:給与所得は430万円台、手取りは460〜500万円前後
  • 年収700万円台:給与所得は510万円台、手取りは530〜580万円前後
  • 年収800万円台:給与所得は600万円台、手取りは600〜650万円前後

平均年収のデータ(2025年)

厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与額は男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円でした。所定内給与は残業代や賞与を含まないため、年収換算するとこれより高くなります。

同調査をもとに年収換算した賃金センサスでは、男女計・学歴計・全年齢の平均額は約545万円とされています。学歴別では大学卒男性が約710万円、大学卒女性が約519万円、高校卒男性が約526万円、高校卒女性が約364万円という水準です。

  • 産業別(男女計):電気・ガス・熱供給・水道業 444.0千円で最高、学術研究・専門・技術サービス業 440.3千円が続く
  • 産業別の最低は宿泊業・飲食サービス業 277.2千円
  • 雇用形態別:正社員・正職員 358.8千円に対し、それ以外 241.7千円

混同しやすいポイント

「所得」は使われる場面によって意味が変わります。税法上の所得、統計上の所得、日常会話での手取りなど、指す範囲が異なる点に注意してください。転職や住宅ローンの審査では年収が、税金や社会保険料の計算では所得が基準になることが多くなっています。

  • 源泉徴収票の「支払金額」は年収、「給与所得控除後の金額」は所得を表す
  • 課税所得は所得からさらに所得控除を引いた金額
  • 賃金構造基本統計調査の「賃金」は所定内給与であり、賞与や残業代を含まないため年収と一致しない
  • 年収の平均値は一部の高額所得者に引っ張られるため、中央値とは差が出ることがある

この記事のポイント

  • 年収=税込の総支給額、所得=年収から経費や給与所得控除を引いた額
  • 手取りは所得から税金・社会保険料を引いた額で、年収の75〜85%が目安
  • 2025年の所定内給与は男女計340.6千円、年収換算の平均は約545万円
  • 所得は文脈で意味が変わるため、源泉徴収票の項目名で確認する
  • 控除額は税制改正で変わるため、最新の国税庁資料を確認する

参考情報

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