給料から引かれる税金とは?年収別の手取り目安を解説

キーワード: 給料から引かれる税金

給料から引かれるお金は「税金」と「社会保険料」に分かれる

給与明細の控除欄には、所得税・住民税などの税金と、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの社会保険料が並びます。税金は国や自治体に納めるお金、社会保険料は医療・年金・失業などの保険料で、性格が異なります。

所得税は毎月おおまかに天引きされ、年末調整で1年分の金額が確定します。住民税は前年の所得をもとに計算され、通常は6月から翌年5月にかけて毎月分割で天引きされます。つまり、最初の1年は住民税の天引きがなく、翌年から負担が増えたように感じやすい点に注意が必要です。

  • 所得税:国に納める税金。課税所得に応じて税率が変わる
  • 住民税:都道府県民税と市町村民税。所得割(おおむね10%)+均等割
  • 社会保険料:健康保険・厚生年金・雇用保険など(40歳以上は介護保険も)
  • その他:組合費、財形貯蓄、社宅費などは会社ごとに異なる

所得税のしくみ|年収そのものに課税されるわけではない

所得税は「年収」に直接かかるのではなく、年収から給与所得控除を引いた給与所得、さらに基礎控除や社会保険料控除などを引いた「課税所得」に対してかかります。控除が大きいほど課税所得は小さくなり、税負担も軽くなります。

税率は課税所得の金額に応じた累進課税で、課税所得195万円以下は5%、330万円以下は10%、695万円以下は20%、900万円以下は23%、1800万円以下は33%、4000万円以下は40%、それを超える部分は45%です。ただし税率は「超えた部分」に段階的にかかるため、年収が少し増えただけで手取りが大きく減るわけではありません。

なお、令和7年分以降の税制改正で基礎控除や給与所得控除の金額が見直されています。ご自身の正確な税額は国税庁の情報や勤務先の源泉徴収票、自治体の通知で確認してください。

  • 課税所得=給与所得-所得控除(社会保険料控除・基礎控除など)
  • 累進課税なので、課税所得が高いほど高い税率が一部に適用される
  • 復興特別所得税として所得税額の2.1%が上乗せされる

住民税のしくみ|前年の所得で決まり、翌年6月から天引き

住民税は前年1月1日〜12月31日の所得をもとに計算され、所得割と均等割の合計額を、原則として翌年6月から翌々年5月までの12回に分けて給与から天引きされます。

所得割は課税所得に対しておおむね10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)、均等割は自治体ごとに定額(おおむね年5000円前後)です。所得が一定以下の場合は非課税になることがありますが、判定は自治体によって異なります。

  • 住民税は「前年の所得」で決まるため、年収が下がった翌年も負担が残ることがある
  • 転職・退職・引っ越しで納付方法が変わる場合がある
  • 正確な金額はお住まいの自治体の課税通知書で確認できる

社会保険料は税金ではないが、手取りを大きく左右する

健康保険料と厚生年金保険料は会社と従業員でおおむね折半し、従業員負担分が毎月の給与から天引きされます。雇用保険料は労働者負担分が給与総額に対してかかります。

標準報酬月額と標準賞与額をもとに計算されるため、同じ年収でも賞与の割合や加入する健康保険組合によって負担額が変わります。目安としては、税金と社会保険料を合わせて年収の15〜25%程度が引かれると考えておくと、手取りのイメージをつかみやすくなります。

  • 厚生年金保険料:おおむね月給・賞与の9.15%(従業員負担分)
  • 健康保険料:都道府県・保険組合により異なる(おおむね5%前後)
  • 雇用保険料:一般の事業で給与総額の0.5%程度(年度で見直しあり)
  • 介護保険料:40歳〜64歳は健康保険料に上乗せされる

年収別の手取り目安|300万〜800万円台のレンジ

ここでは、会社員・独身・40歳未満(介護保険なし)・社会保険に加入という条件でのおおよその手取りレンジを示します。実際の金額は扶養の有無、家族構成、住んでいる自治体、健康保険組合、賞与の割合などで変わります。あくまで目安として参考にしてください。

参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では一般労働者(男女計)の所定内給与は月額340.6千円で、年収換算ではおよそ490万円前後が全体の中心的な水準として示されています。中央値は296.6千円で、平均より低い点にも注目です。

  • 年収300万円台:手取りはおおよそ230万〜250万円
  • 年収400万円台:手取りはおおよそ300万〜325万円
  • 年収500万円台:手取りはおおよそ375万〜400万円
  • 年収600万円台:手取りはおおよそ445万〜470万円
  • 年収700万円台:手取りはおおよそ515万〜545万円
  • 年収800万円台:手取りはおおよそ580万〜610万円

年収が上がると負担はどう増える?

年収が上がると、社会保険料は比例的に増え、所得税は段階的に高い税率が適用され、住民税も前年所得に応じて増えます。そのため手取りの増加額は、額面の増加額より小さくなります。

一方で、社会保険料は一定額以上の標準報酬月額で頭打ちになる上限があり、税負担も累進課税のため「手取りが減ってしまう」ということは基本的に起きにくい仕組みです。昇給や転職で提示される年収は額面であることが多いため、手取りベースで生活費と比較して考えると判断しやすくなります。

  • 額面が増えても、社会保険料と税金が差し引かれて手取りの伸びは緩やかになる
  • 扶養に入っている場合は、年収の壁(おおむね106万・130万・150万円台など)に注意
  • iDeCo・ふるさと納税・生命保険料控除などで課税所得を調整できる場合がある

この記事のポイント

給料から引かれるのは所得税・住民税などの税金と、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料です。所得税は課税所得に累進税率、住民税は前年所得に応じておおむね10%の所得割と均等割、社会保険料は標準報酬をもとに計算されます。

手取りは年収300万円台でおおよそ230万〜250万円、500万円台で375万〜400万円、800万円台で580万〜610万円が一つの目安です。実際の金額は家族構成・自治体・保険組合などで変わるため、源泉徴収票や課税通知書で確認しましょう。

  • 天引きは「税金」と「社会保険料」に分けて理解する
  • 所得税は課税所得に累進課税、住民税は前年所得ベースで翌年6月から天引き
  • 手取りは年収300万円台で約230万〜250万円、500万円台で約375万〜400万円が目安
  • 制度改正や自治体差があるため、最終的な金額は公的機関の情報で確認する

参考情報

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