B型作業所の給料・工賃はいくら?年収の目安と仕組み
B型作業所の「給料」は工賃という仕組み
就労継続支援B型(通称B型作業所)では、利用者は事業所と雇用契約を結ばず、支援を受けながら作業を行います。そのため受け取るお金は法律上の「賃金」ではなく「工賃」と呼ばれ、最低賃金の適用対象外です。
工賃は、事業所が受注した作業の売上などから経費を差し引いた原資をもとに支払われます。したがって、同じB型でも地域・事業所・作業内容によって金額差が非常に大きくなります。
- 雇用契約を結ばないため、原則として最低賃金は適用されない
- 工賃は作業の成果や事業所の収益状況に左右される
- 障害年金や生活保護など他制度との併給を前提に考える必要がある
B型作業所の工賃・年収の目安レンジ
今回のウェブ検索で参照した公的統計は一般企業の労働者を対象としたもので、B型作業所の工賃に特化した全国平均は確認できませんでした。そのため、B型の工賃平均は本記事では「不明」とし、一般に言われる相場感をレンジで示します。
B型作業所の工賃は、月額でおおむね5千円〜3万円程度の範囲に収まることが多いとされます。これを単純に12か月で年収換算すると、約6万円〜36万円程度です。ただし月1万円未満のケースや、作業単価が高い事業所で月3万円を超えるケースもあり、幅はさらに広い点に注意してください。
- 月額の目安:おおむね0.5万円〜3万円程度(事業所差が大きい)
- 年収換算の目安:おおむね6万円〜36万円程度
- 工賃が月1万円前後というケースも多く、生活費の全額をまかなうのは難しい水準
一般労働者の給与と比べるとどのくらい違う?
参考として、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年/2025年)では、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与は男女計で月34万600円、前年比3.1%増とされています(mhlw.go.jp)。賞与を含めた年収の目安は約490万円前後となり、B型作業所の工賃との差は非常に大きいことがわかります。
また、同調査では短時間労働者の1時間当たり賃金は男女計1,518円とされています(mhlw.go.jp)。仮に1日4時間・月20日働いた場合、単純計算で月約12万円となり、B型の工賃が時給換算で非常に低い水準にあることが比較できます。
- 一般労働者(2025年・男女計):所定内給与 月34.06万円/年収目安 約490万円
- 男性:月37.34万円/年収目安 約540万円、女性:月28.59万円/年収目安 約410万円
- 短時間労働者:時給1,518円(男女計)
B型作業所の工賃が低くなりやすい理由
B型の工賃が低い水準にとどまりやすいのは、支援の場としての性格と、作業の受注構造が関係しています。事業所の収入は主に国・自治体からの給付(報酬)と、請負作業などの売上で構成されます。
給付部分は支援サービスの対価であり、利用者個人の工賃に直接回るわけではありません。また、作業内容が軽作業や単純作業中心になりやすく、1件あたりの単価が低いことも工賃を押し下げる要因になります。
- 事業所収入の中心は支援報酬で、工賃原資は限られやすい
- 軽作業・内職的な請負が多く、単価が低い
- 利用者ごとの作業量・作業速度の差が工賃に反映される
- 地域や事業所の営業力によって受注量が大きく変わる
工賃を上げるために使える制度・選択肢
国は「工賃向上計画」の策定を事業所に求めており、受注開拓や生産性改善を通じて工賃の引き上げを図る取り組みが進められています。事業所選びの際は、過去の工賃実績や工賃向上の取り組みを確認すると判断材料になります。
より高い収入を目指す場合は、雇用契約を結ぶA型事業所や、一般企業への就職を目指す就労移行支援の利用も選択肢です。ただし、体調や障害特性との相性もあるため、収入だけでなく無理なく続けられるかを優先して考えることが大切です。
- 工賃向上計画や工賃実績を事業所見学で確認する
- A型(雇用契約あり)や就労移行支援という選択肢もある
- 障害年金・各種手当と組み合わせた生活設計を考える
- 体調や通所ペースを崩さないことを最優先にする
この記事のポイント
- B型作業所で受け取るお金は「工賃」で、最低賃金の適用外
- 工賃の目安は月0.5万〜3万円程度、年収換算で6万〜36万円程度が中心
- B型工賃の全国平均を示す公的統計は今回確認できず、平均は不明とした
- 一般労働者の年収目安は約490万円(2025年・男女計)で差は大きい
- 収入を増やすならA型・就労移行支援も選択肢。事業所の工賃実績を確認する