給料から引かれるものとは?年収と手取りの差をわかりやすく解説
給料から引かれるものの全体像
給与明細の「支給額」から差し引かれるものは、大きく分けて(1)社会保険料、(2)税金、(3)その他の控除の3つです。差し引かれた後の金額が手取り(可処分所得)になります。
厚生労働省の令和7(2025)年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の所定内給与額は男女計で月340.6千円でした。単純に12か月分を足すと約409万円ですが、実際の年収には賞与・期末手当等が加わるため、年収はおおむね450万〜550万円のレンジで語られることが多くなります。
- 社会保険料:健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料(40〜64歳)
- 税金:所得税、住民税(翌年6月から給与天引き)
- その他:財形貯蓄、社宅費、団体保険、労働組合費など(勤務先による)
社会保険料は何割引かれる?
社会保険料は、給与や賞与の額(標準報酬月額・標準賞与額)に保険料率を掛けて計算され、労使で折半するものが多くなっています。健康保険料率は加入する健康保険組合や協会けんぽの都道府県支部によって異なり、おおむね10%前後(労使合計)です。
厚生年金保険料は全国一律で18.3%(労使合計、本人負担9.15%)です。雇用保険料は一般の事業で0.5%前後(2025年度は労働者負担0.55%)、40〜64歳の人は介護保険料(第2号被保険者)も加わります。
結果として、社会保険料の本人負担は額面のおよそ14〜16%程度になることが多く、年収500万円であれば年間70万〜80万円前後が差し引かれる計算になります。
- 健康保険料:都道府県・保険者で料率が異なる(本人負担はおおむね5%前後)
- 厚生年金保険料:本人負担9.15%(全国一律)
- 雇用保険料:一般の事業で労働者負担0.55%(2025年度)
- 介護保険料:40〜64歳は追加で負担
税金はいつ・いくら引かれる?
所得税は、その月の給与から概算で天引き(源泉徴収)され、年末調整で1年間の正確な税額が確定します。税率は課税所得に応じた累進課税で、5%から45%まで段階的に上がります。
住民税は前年の所得に対して計算され、原則として翌年6月から翌々年5月までの12回に分けて給与から天引きされます。所得割は原則10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)に均等割が加わります。
社会保険料は全額が所得から控除されるため、税金は「額面×税率」ではなく「額面から社会保険料などを引いた課税所得×税率」で計算される点が重要です。
- 所得税:月々は概算で源泉徴収、年末調整で精算
- 住民税:前年所得に基づき、翌年6月から給与天引き
- 所得控除:社会保険料控除、基礎控除、配偶者控除、生命保険料控除など
年収別の手取り目安(万円レンジ)
手取り額は家族構成、居住地、健康保険の種類、賞与の有無などで変わるため、以下はあくまで独身・扶養なし・協会けんぽ加入といった一般的な条件での概算レンジです。
年収300万円台では手取りは230万〜250万円前後、400万円台では310万〜330万円前後、500万円台では380万〜400万円前後、600万円台では450万〜470万円前後、700万円台では520万〜540万円前後が一つの目安になります。
年収が上がるほど税率と社会保険料の負担が増えるため、額面の増加額よりも手取りの増加額は小さくなる傾向があります。
- 年収300万円台:手取りおおむね230万〜250万円
- 年収400万円台:手取りおおむね310万〜330万円
- 年収500万円台:手取りおおむね380万〜400万円
- 年収600万円台:手取りおおむね450万〜470万円
- 年収700万円台:手取りおおむね520万〜540万円
統計から見る年収の水準感
令和7(2025)年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の所定内給与額は男女計340.6千円(前年比3.1%増)、男性373.4千円、女性285.9千円でした。男女間賃金格差(男=100)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も縮小しています。
学歴別では高校297.2千円、大学396.3千円、大学院517.4千円、産業別では電気・ガス・熱供給・水道業444.0千円が最も高く、宿泊業・飲食サービス業277.2千円が最も低い結果でした。
毎月勤労統計調査の2025年分確報では、調査産業計の現金給与総額は355,941円、うち特別に支払われた給与(賞与等)は68,514円です。賞与を含めた総額で見ると、月給だけを見るより年収の実態に近づきます。
- 一般労働者・男女計の所定内給与:月340.6千円(2025年)
- 大学卒:月396.3千円/高校卒:月297.2千円
- 産業別最高:電気・ガス・熱供給・水道業 月444.0千円
- 賞与等:調査産業計で年間68,514円(月平均換算)
手取りを考えるときの注意点
求人票やオファー面談で示される年収は、多くの場合「額面(税・社会保険料控除前)」です。手取りベースで生活設計をする場合は、額面からおおむね15〜20%程度が差し引かれると想定しておくと安全です。
健康保険料率は都道府県や加入先で異なり、介護保険料の有無、扶養家族の人数、住民税の均等割などでも変わります。正確な金額は勤務先の給与明細や自治体の通知で確認してください。
本記事の手取りレンジは統計と一般的な料率から算出した概算であり、個別の年収を保証するものではありません。
- 提示される年収は原則として額面であることが多い
- 手取りは額面のおよそ80〜85%が目安
- 保険料率・税額は居住地や家族構成で変動する
- 正確な数字は給与明細・住民税決定通知書で確認
この記事のポイント
- 給料から引かれるものは社会保険料・税金・その他控除の3種類
- 社会保険料の本人負担は額面のおよそ14〜16%が目安
- 所得税は累進課税、住民税は翌年6月から天引き
- 年収500万円台の手取りはおおむね380万〜400万円前後
- 2025年の一般労働者の所定内給与は月340.6千円(男女計)
- 手取りは額面の80〜85%程度と想定して生活設計するとよい