警察の給料・年収はいくら?平均779万円の内訳と地域差
警察官の給料・年収はどのくらい?結論を先に
警察官の給料は国家公務員の公安職俸給表(一)に準じた水準で、初任給はおおむね月20万〜28万円台、ボーナスと各種手当を含めた年収は若手で450万円前後、40代前後で650万〜700万円台、階級が上がる50代以降は800万〜900万円台が一つの目安です。
ただし警察官の年収は「採用区分(Ⅰ類・Ⅲ類など)」「勤務都道府県の地域手当」「時間外勤務の量」「階級・昇任の速さ」「扶養・住居などの手当」で大きく動きます。全国一律の平均年収が公式に発表されているわけではない点を先に押さえておきましょう。
- 20代前半:年収450万円前後(手当込みの目安)
- 30代中頃:年収600万円前後
- 40代:年収650万〜750万円台
- 50代〜定年前:年収800万〜900万円台(階級・役職次第)
総務省統計で見る警察職の平均給与【令和7年調査】
公的統計で確認できるのは「年収」ではなく「給料月額」「諸手当月額」「期末・勤勉手当の年額」です。総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」の都道府県警察(統計上の職種名は警察職)の全国平均は、職員数258,616人、平均年齢39.4歳、平均給料月額345,913円、諸手当月額148,600円、平均給与月額494,513円、期末・勤勉手当は1人当たり年額1,855,952円となっています。
この部品を単純に足し合わせると、494,513円×12か月+1,855,952円=7,790,108円(約779万円)になります。ただしこれは平均年齢39.4歳・管理職を含む全警察官の平均で、時間外勤務手当を含み、期末・勤勉手当は前年度実績という時点ズレもあります。公式の「平均年収」ではありません。
給与ガイド系サイトによる2021年の独自集計では平均年収711万110円、賞与156万7,526円という数字も出回っています。調査年度や賞与の扱いが違うため、統計の数値は年度と定義をセットで読む必要があります。
- 平均給料月額:345,913円(基本給)
- 諸手当月額:148,600円(時間外57,838円・地域・扶養など)
- 平均給与月額:494,513円
- 期末・勤勉手当:年額1,855,952円(期末996,947円+勤勉859,005円)
- 当サイト試算の年収参考値:約779万円
警視庁の公式モデル:実務2年目でⅠ類657万円・Ⅲ類605万円
警視庁が公表している給与モデル(令和8年1月1日現在)では、初任給はⅠ類採用321,900円、Ⅲ類採用279,400円。いずれも地域手当20%を含みます。実務2年目の年収例はⅠ類657万4,400円、Ⅲ類604万5,700円です。
これはあくまで警視庁のモデルケースであり、全国の警察官の平均年収でも、採用者全員に保証される金額でもありません。地域手当20%が効く東京都は全国でも上位の水準になりますが、家賃や物価も高い点は差し引いて考える必要があります。
- 警視庁 Ⅰ類採用:初任給321,900円/実務2年目年収657万4,400円
- 警視庁 Ⅲ類採用:初任給279,400円/実務2年目年収604万5,700円
経験年数と学歴で給料はどう変わる?
年代別の年収は警察職の統計に表がないため、経験年数別・学歴別の平均給料月額が参考になります。手当・賞与を含まない基本給ベースの数字です。
採用直後は大学卒と高校卒で月3万円ほどの差がありますが、経験30年を超えると差は約1万円まで縮まります。この統計で見るかぎり、給料の差は学歴そのものよりも経験年数のほうに大きく表れます。
- 1年未満:大学卒257,614円/高校卒228,172円
- 10年以上15年未満:大学卒319,094円/高校卒296,896円
- 20年以上25年未満:大学卒395,348円/高校卒368,541円
- 30年以上35年未満:大学卒427,628円/高校卒417,220円
- 全体平均:学歴計345,913円
都道府県別の差は「地域手当」で生まれる
給料(基本給)そのものは全国でほぼ横並びです。差を生むのは地域手当で、国家公務員の公安職俸給表(一)をベースに各都道府県が条例で定めています。
統計上の「平均基本給月額」(給料+扶養手当+地域手当)は、東京都(警視庁)423,757円、大阪府406,731円、愛知県403,780円、神奈川県403,213円、埼玉県398,075円に対し、秋田県347,944円、青森県335,720円という差があります。額面だけで「得な県」を判断せず、家賃・物価・時間外勤務の量も含めて考えるのが現実的です。
- 東京都(警視庁):給料340,500円+地域手当71,100円=基本給月額423,757円
- 大阪府:349,000円+43,100円=406,731円
- 神奈川県:344,800円+44,800円=403,213円
- 秋田県:337,000円+217円=347,944円
- 青森県:324,600円+170円=335,720円
ボーナス(期末・勤勉手当)と退職金
警察官のボーナスは期末手当と勤勉手当の2本立てで、年2回(6月・12月)支給が基本です。2025年(令和7年)人事院勧告では国家公務員の期末・勤勉手当が年間4.65か月分に引き上げられ、警視庁も年間おおむね4.90か月分と案内しています。
ただし「月収すべて×4.90か月」ではなく、支給額は算定基礎と在職期間・勤務成績で決まります。採用1年目は在職期間が短く満額になりません。全国平均の支給実績は期末996,947円+勤勉859,005円=1,855,952円です。
退職金は勤続25年以上の定年退職で平均約2,221万円というデータもあり、在職中の年収だけでなく退職後の手取りまで含めて考えると厚みがあります。
- 支給回数:年2回(6月・12月)
- 国家公務員の支給月数:年間4.65か月分(令和7年勧告)
- 警視庁の案内:年間おおむね4.90か月分
- 全国平均の支給実績:年額1,855,952円(平均年齢39.4歳)
一般労働者の平均年収と比べると
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」ベースの一般労働者の参考値は、男女計で年収約490万円(所定内給与340.6千円)、男性約540万円、女性約410万円。学歴別では高校卒約420万円、大学卒約570万円です。
警察官の試算約779万円はこれより高く見えますが、これは時間外勤務手当を含み、平均年齢39.4歳で管理職も含む数字です。危険・夜勤を伴う公安職として給与がやや高めに設定されている面もあり、単純比較はできません。
- 一般労働者・男女計:年収約490万円(月340.6千円)
- 大学卒:年収約570万円(月396.3千円)
- 高校卒:年収約420万円(月297.2千円)
- 産業別最高水準:電気・ガス・熱供給・水道で年収約640万円
ネットの「平均700万円」をそのまま使えない理由
「警察官の平均年収は約700万円」という数字が流通していますが、これは平均給与月額に賞与月数を掛け合わせた独自推計が混ざったものです。手当を含む月額にさらに賞与月数を掛けると、ボーナスの算定基礎に入らない手当まで上乗せしてしまう可能性があります。
公式統計は「年収」を公表していません。ネットの数字を見たら、①調査年度、②額面か手取りか、③時間外勤務手当を含むか、④平均年齢・階級の構成、の4点を確認してください。年齢別・学歴別の数字も、個人の将来年収を保証するものではありません。
採用を検討する際は、受験先の都道府県警が公表する最新の給与モデルと、総務省・人事院の一次統計を分けて確認するのが安全です。
- 「約700万円」は統計に載っている公式の平均年収ではない
- 賞与の算定基礎と手当の範囲は年度で変わる
- 平均年齢39.4歳・管理職込みの平均であることを忘れない
- 手取りは額面よりおおむね2〜3割少なくなる
この記事のポイント
警察官の給料は採用区分・勤務地・経験年数・階級で変わり、公式の「平均年収」は存在しません。公的統計の実額を積み上げた参考値は約779万円(平均年齢39.4歳・時間外手当込み)です。
- 総務省令和7年調査:平均給与月額494,513円+期末勤勉手当1,855,952円
- 警視庁モデル:実務2年目はⅠ類657万4,400円・Ⅲ類604万5,700円
- 基本給は全国横並び、差は地域手当(東京は20%)で生まれる
- 大卒と高卒の給料差は、経験30年超では約1万円まで縮まる
- 「平均700万円」は独自推計。年度と定義を必ず確認する