障害者雇用の給料・年収はいくら?平均の考え方と目安レンジ

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障害者雇用の「平均年収」は公的統計では分かりにくい

障害者雇用で働く人の給料・年収を調べると、まず気づくのは「全国平均が公表されていない」という点です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査は、産業・雇用形態・就業形態・職種・性・年齢・学歴・勤続年数別に賃金を明らかにする調査ですが、集計軸に「障害の有無」は含まれていません(mhlw.go.jp)。

そのため「障害者雇用の平均年収は○○万円」という数値は、公的統計に基づく確定的なものとしては存在しない、と理解しておくのが正確です。本記事では、一般労働者の賃金統計を比較の土台にしつつ、障害者雇用の求人で見られる傾向から年収レンジの目安を整理します。

比較の土台:一般労働者の給料と年収の目安(2025年)

令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査では、一般労働者(短時間労働者以外)の所定内給与は男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円でした(mhlw.go.jp)。

所定内給与は残業代などを除いた月額ベースの金額で、これに賞与・各種手当を加えたものが実際の年収になります。あくまで概算の参考値ですが、月収×12+賞与として年収換算すると、全体でおおむね490万円前後、男性540万円前後、女性410万円前後という水準感になります。

  • 一般労働者・男女計:月340.6千円/年収換算 約490万円(参考値)
  • 男性:月373.4千円/年収換算 約540万円(参考値)
  • 女性:月285.9千円/年収換算 約410万円(参考値)
  • 高校卒:月297.2千円/年収換算 約420万円(参考値)
  • 大学卒:月396.3千円/年収換算 約570万円(参考値)

雇用形態と労働時間で年収は大きく変わる

同じ調査では、正社員・正職員の所定内給与は358.8千円、正社員・正職員以外は241.7千円で、雇用形態間の差は小さくありません(mhlw.go.jp)。障害者雇用の求人は、短時間勤務や契約社員・パート形式も多いため、年収を考えるうえでは「時給×労働時間」の視点が欠かせません。

短時間労働者の1時間当たり所定内給与は男女計1,518円(2025年)です(mhlw.go.jp)。仮に時給1,200〜1,500円で週20時間・年間52週働くと、年収はおおむね125万〜156万円程度が一つの目安になります。週30時間なら190万〜234万円程度まで上がる計算です。

障害者雇用の年収レンジ目安

公的統計がないため断定はできませんが、一般就労(企業等との雇用契約)の障害者雇用求人では、フルタイム・月給制で月額15万〜22万円程度、年収にして180万〜300万円程度のレンジが比較的見られやすい、というのが実務的な目安です。短時間勤務中心の場合は年収100万〜180万円程度になることもあります。

一方、職種が限定されず、スキルや経験を活かせる専門職・IT職・事務管理職などでは、一般労働者に近い水準(年収300万〜450万円程度以上)を狙える求人も存在します。障害種別・地域・職種・勤務時間で幅が非常に大きい点が、この分野の特徴です。

  • 短時間勤務中心:年収 おおむね100万〜180万円程度
  • フルタイム・一般事務系:年収 おおむね180万〜300万円程度
  • 専門職・スキル職:年収 おおむね300万〜450万円程度以上も視野
  • 就労継続支援A型・B型の「工賃」は雇用契約に基づく給与とは性質が異なる

最低賃金の減額特例に注意

障害者雇用では、労働能力が著しく低い場合などに、都道府県労働局長の許可を受けて最低賃金額を減額できる特例があります。これは「障害者だから当然に安くてよい」という制度ではなく、あくまで許可制の例外措置です。

つまり、障害者雇用であっても、特例の対象にならない限りは通常の最低賃金が適用されます。「障害者雇用だと時給が低いのが普通」という理解は正確ではありません。自分の雇用形態・勤務時間・適用される賃金を、求人票や労働条件通知書で必ず確認しましょう。

年収を上げるために確認したいポイント

第一に、労働時間です。同じ時給でも週20時間と週40時間では年収がほぼ2倍変わります。第二に、雇用形態です。正社員登用制度や、契約社員から正社員への転換実績がある企業かどうかを確認しましょう。

第三に、職種とスキルです。PCスキル、資格、事務経験などは賃金評価につながりやすく、一般労働者の学歴別賃金でも高校卒297.2千円に対し大学卒396.3千円と差があります(mhlw.go.jp)。給与だけでなく、障害者雇用の定着支援体制や合理的配慮の内容も合わせて見ておくと、長く働き続けやすくなります。

この記事のポイント

  • 障害者雇用の「平均年収」を示す公的統計はなく、断定できる数値は存在しない
  • 比較の土台となる一般労働者の所定内給与は男女計340.6千円(2025年)
  • 雇用形態別では正社員358.8千円に対し正社員以外241.7千円と差がある
  • 短時間勤務中心なら年収100万〜180万円程度が目安になりやすい
  • フルタイム一般事務系は180万〜300万円程度、専門職はそれ以上も
  • 最低賃金の減額特例は許可制。適用の有無を労働条件通知書で確認する

参考情報

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