平均年収と中央値の違いとは?2025年の日本の年収データを解説

キーワード: 平均年収 中央値

平均年収と中央値はなぜ違うのか

年収を調べるときに最初に見る数字が「平均年収」ですが、平均値は一部の高年収層に引っ張られやすく、実感とズレることがあります。そこで重要になるのが「中央値(メディアン)」です。中央値は、年収の低い人から高い人へと一列に並べたときに、ちょうど真ん中にくる人の年収を指します。

たとえば年収200万円の人が9人、年収2000万円の人が1人の集団では、平均値は約380万円ですが中央値は200万円です。平均値は「全体の合計を人数で割った値」、中央値は「真ん中の人の値」であり、この2つを並べて見ることで、日本の年収分布の実態に近づけます。

  • 平均値=全員の年収を合計して人数で割った値(高年収層の影響を受けやすい)
  • 中央値=年収順に並べたときの真ん中の値(大多数の実感に近い)
  • 平均値と中央値の差が大きいほど、年収の格差・偏りが大きいと読める

2025年の日本の平均年収と中央値

厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の男女計の所定内給与額は月額340.6千円(前年比3.1%増)でした。これは残業代や賞与を含まない、いわゆる基本給ベースの月額です。単純に12カ月分に換算すると約409万円、賞与を含めた年収の目安としてはおおむね490万円前後という整理がよく使われます(mhlw.go.jp)。

一方、同じ調査で公表されている中央値は男女計で月額296.6千円です。年収換算ではおおむね420万〜430万円前後となり、平均年収の目安(約490万円前後)より60万円以上低くなります。つまり「日本の平均年収は約490万円」と聞いても、実際に真ん中にいる人の年収は400万円台前半、というのが2025年データの姿です(e-stat.go.jp)。

  • 平均値(男女計):月額340.6千円/年収換算の目安 約490万円前後
  • 中央値(男女計):月額296.6千円/年収換算の目安 約420万〜430万円
  • 第1四分位数:月額238.2千円/年収換算の目安 約340万円台
  • 第3四分位数:月額389.8千円/年収換算の目安 約560万円台
  • 第9十分位数:月額527.3千円/年収換算の目安 約760万円前後

男女別・学歴別に見る平均と中央値

性別で見ると、男性の平均は月額373.4千円(年収換算の目安 約540万円前後)、中央値は325.8千円(同 約470万円前後)。女性の平均は月額285.9千円(同 約410万円前後)、中央値は260.3千円(同 約370万〜380万円前後)です。男女間の賃金格差(男性=100)は76.6で、比較可能な1976年以降で最も格差が縮小したとされています(mhlw.go.jp)。

学歴別の平均は、高校卒297.2千円、専門学校卒313.7千円、高専・短大卒321.2千円、大学卒396.3千円、大学院卒517.4千円でした。学歴による差は平均値にははっきり表れますが、同じ学歴でも職種・業種・勤続年数で振れ幅が大きく、学歴だけで年収が決まるわけではありません。

  • 男性:平均 月額373.4千円/中央値 月額325.8千円
  • 女性:平均 月額285.9千円/中央値 月額260.3千円
  • 高校卒:平均 月額297.2千円(年収換算の目安 約420万円前後)
  • 大学卒:平均 月額396.3千円(年収換算の目安 約570万円前後)
  • 大学院卒:平均 月額517.4千円(年収換算の目安 約740万円前後)

産業別の平均年収はどこが高い?

産業別(男女計)では「電気・ガス・熱供給・水道業」が月額444.0千円で最も高く、次いで「学術研究,専門・技術サービス業」が440.3千円、「金融業,保険業」が437.0千円前後、「情報通信業」が406.0千円前後と続きます。一方で最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の277.2千円でした(mhlw.go.jp)。

ただし産業別の数字は平均値であり、同じ業界でも職種や企業規模で大きく変わります。たとえば情報通信業は高水準帯ですが、職種・スキルによる差が非常に大きい業界でもあります。「業界の平均=自分の年収」ではない点には注意が必要です。

  • 電気・ガス・熱供給・水道:月額444.0千円(年収換算の目安 約640万円前後)
  • 学術研究・専門・技術サービス:月額440.3千円(同 約635万円前後)
  • 金融・保険:月額437.0千円前後(同 約630万円前後)
  • 情報通信:月額406.0千円前後(同 約585万円前後)
  • 製造業:月額330.0千円前後(同 約475万円前後)
  • 宿泊業・飲食サービス業:月額277.2千円(同 約400万円前後)

年収分布を分位点でつかむ

平均値と中央値に加えて、分位点を見ると年収分布の形がつかめます。2025年の男女計では、下位10%にあたる第1・十分位数が月額199.9千円、下位25%の第1・四分位数が238.2千円、中央値が296.6千円、上位25%の第3・四分位数が389.8千円、上位10%の第9・十分位数が527.3千円でした(e-stat.go.jp)。

年収換算の目安で並べると、下位25%が約340万円台、中央値が約420万〜430万円、上位25%が約560万円台、上位10%が約760万円前後です。自分の年収がどのあたりに位置するかを知るには、平均値よりもこの分位点と比べるほうが実感に合いやすいといえます。

  • 下位10%:月額199.9千円(年収換算の目安 約290万円前後)
  • 下位25%:月額238.2千円(同 約340万円台)
  • 中央(50%):月額296.6千円(同 約420万〜430万円)
  • 上位25%:月額389.8千円(同 約560万円台)
  • 上位10%:月額527.3千円(同 約760万円前後)

平均年収から手取りを考えるときの注意点

年収から手取りを計算するには、所得税・住民税・社会保険料を差し引く必要があります。一般的には手取りは年収のおよそ75〜85%程度になることが多いとされますが、家族構成、居住地、社会保険の加入状況などで変わります。年収490万円前後であれば手取りはおおむね370万〜400万円台、年収420万円前後であれば手取りはおおむね320万〜350万円台が一つの目安です。

また、ここで使っている賃金構造基本統計調査の「賃金」は、6月分の所定内給与額(残業代・賞与を含まない)です。ボーナスや残業代が多い業界・職場では、実際の年収はこの換算値より高くなります。逆に短時間労働者は別集計であり、本記事の一般労働者の数値とは単純比較できません。

  • 手取りの目安は年収の約75〜85%(家族構成・地域で変動)
  • 年収420万円前後→手取り 約320万〜350万円台が目安
  • 年収490万円前後→手取り 約370万〜400万円台が目安
  • 調査の「賃金」は残業代・賞与を含まない所定内給与である点に注意

転職・年収交渉で平均と中央値をどう使うか

転職時に提示年収を判断するときは、業界の平均値だけでなく中央値と分位点をセットで見るのが有効です。平均値が高く出ている業界でも、中央値はそれより低いことが多く、平均値だけを基準にすると期待値がずれやすくなります。

また、年収は年齢・勤続年数・役職でも大きく変わります。同調査では男性の賃金ピークは55〜59歳、女性は45〜49歳および55〜59歳とされており、年齢カーブを無視して単純比較すると判断を誤ります。自分の年齢・職種・勤続年数に近い区分の数値を確認したうえで、複数の情報を組み合わせて検討するのが現実的です。

  • 平均値・中央値・分位点をセットで確認する
  • 業界平均ではなく、自分の年齢・職種・勤続年数に近い区分を見る
  • 提示年収は残業代・賞与の有無を必ず確認する
  • 公的統計は毎年更新されるため、最新年度の数値を参照する

この記事のポイント

  • 2025年の一般労働者(男女計)の平均は月額340.6千円、中央値は296.6千円
  • 年収換算の目安は平均で約490万円前後、中央値で約420万〜430万円
  • 平均値は高年収層の影響を受けやすく、実感には中央値が近い
  • 男性平均373.4千円・女性平均285.9千円、賃金格差は76.6で過去最小水準
  • 産業別では電気・ガス・熱供給・水道が最も高く、宿泊・飲食が最も低い
  • 手取りは年収の約75〜85%が目安。残業代・賞与の有無で実際の年収は変わる

参考情報

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